株式会社バンダイナムコホールディングス | BANDAI NAMCO Holdings Inc.

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キーパーソンインタビュー

(株)バンダイナムコゲームス 代表取締役副社長 鵜之澤 伸

2012年度はIP軸戦略が効果を発揮
世界を視野に新たなビジネスモデルにも挑戦
(株)バンダイナムコゲームス 代表取締役副社長
鵜之澤 伸

1981年4月
(株)バンダイ入社
1992年4月
バンダイビジュアル(株)取締役
1995年4月
(株)バンダイ・デジタル・エンタテインメント取締役
1998年1月
(株)バンダイ デジタルエンジンプロジェクト部長
1999年4月
(株)バンダイ ビデオゲーム事業部部長
2004年6月
(株)バンダイ常務取締役 ゲームソフトグループリーダー 兼 ビデオゲームカンパニープレジデント
2006年4月
(株)バンダイナムコゲームス代表取締役副社長 兼 コンテンツ制作本部長
2009年4月
(株)バンダイナムコゲームス代表取締役社長 兼 CPO(チーフ・パックマン・オフィサー)
2010年4月
(株)バンダイナムコゲームス 代表取締役副社長 兼 CPO(チーフ・パックマン・オフィサー)(現職)

「国内No.1+ボーダーレス展開」を中期ビジョンとして掲げるコンテンツ事業が好調に推移し、バンダイナムコグループが2012年度に過去最高益を達成する原動力となりました。
今回はコンテンツ事業の動向と今後の展望、そして6月から放映が始まる注力IPの「パックマン」などについて、(株)バンダイナムコゲームスの鵜之澤伸 代表取締役副社長 兼 CPO(チーフ・パックマン・オフィサー)に話を聞きました。

2012年度コンテンツ事業が好調でした。

鵜之澤:バンダイナムコグループは、おかげさまで中期計画の計数目標としていた過去最高売上と最高益を初年度である2012年度に達成することができました。その原動力として、コンテンツSBUが貢献できたことを非常にうれしく思っています。前・中期計画の2009年度には、大きな損失を出し、ステークホルダーの皆様にご心配をおかけしましたが、そこから一丸となって改革に取り組み、事業を立て直してきたことが、業績回復の要因となりました。なかでも「IP軸戦略」への転換が大きかったと思います。例えば、それまでのバンダイナムコゲームスでは、スピード感を重視するバンダイと、クリエイティブ力が強みのナムコの仕事のやり方を無理に1つにしようとしていました。また、組織面では家庭用ゲーム部門などプラットフォームごとの出口別の組織でしたが、これをIP軸の小規模な組織の集合体へと変え、権限も現場に委譲しました。これにより、1つのIPを使って、バンダイとナムコ双方の経験やノウハウを生かしながら、あらゆる出口を視野に入れたスピーディかつダイナミックな事業展開を行うことが可能になりました。
こうした「IP軸戦略」の浸透により、2012年度は全ての出口が好調に推移し、ソーシャルゲームなどのネットワークコンテンツの伸びも業績に貢献しました。しかし、コンテンツ業界の変化は激しく、好調を維持することは簡単ではありません。ですから必死で立て直しを図った時の危機感を忘れずに、たえず緊張感を持って事業を展開していきたいと思っています。

「IP軸戦略」における強みとは?

鵜之澤:2012年度は、PS3向けオンライン専用ゲーム「機動戦士ガンダム バトルオペレーション」でFree to Play(フリートゥプレイ)による販売方法にチャレンジし、非常に良い感触を得ました。これはやはり、ガンダムという強力なIPがグループにあったからこそできた挑戦だと思います。また、100人以上で同時対戦ができる「機動戦士ガンダムオンライン」の好スタートも、やはりガンダムというIPの強さをうまく生かせたからこそです。ほかにも、業務用ゲーム機から生まれたIP「アイドルマスター」が2012年度に大きく飛躍しました。その成長ぶりを見ると、バンダイナムコグループの強みが存分に発揮されているのを感じます。IPそのものの展開に加え、グループのさまざまな出口を活用した商品・サービス展開が相乗効果を発揮しました。コンテンツSBUのさまざまな事業においても、我々が活用できるIPを使ってうまく新しい挑戦ができています。

機動戦士ガンダム バトルオペレーション

機動戦士ガンダム バトルオペレーション
©創通・サンライズ

バンダイナムコスタジオを設立し約1年が経ちました。

鵜之澤:2012年、スピーディでクオリティの高い開発部隊を目指して㈱バンダイナムコスタジオを設立しましたが、開発に特化した体制での効果が表れ始めています。また、中長期的なグローバル成長を視野に、シンガポールとカナダのバンクーバー市に新たな拠点を設立します。シンガポールは成長が著しく、市場としても魅力的なことから、東南アジアの開発総括拠点を目指します。一方、バンクーバーにはコンピュータや映画などの一流クリエーターが在住し、最先端の情報が集まっており、欧米地域向けのネットワークコンテンツを開発していく計画です。日本をコントロールタワーとしつつ、現地の嗜好やニーズを踏まえた開発ができるスタジオとしていきたいと思います。

これからビジネススタイルも変わっていくのでは?

鵜之澤:ここ数年でゲーム市場は範囲の限定が難しいほど幅が広がりました。すでに専用機向けのパッケージ販売だけという考え方ではなくなり、パッケージとネットワークの融合、そしてソーシャルゲームから始まったFree to Play(フリートゥプレイ)というビジネスモデルが大きく成長しています。
一方で、我々のキャラクターマーチャンダイジングは、メディアを通して好きになったIPの商品を買っていただくビジネスモデルであり、言うなれば究極のフリーミアムです。それを40年近くやってきたわけですから、我々にとってこの変化は大きなチャンスだと考えています。
バンダイナムコグループでは、すでに大きな実績を持つ有力IPを活用した商品・サービスを展開しています。これらの安定的な展開に加え、今中期計画期間中に、2015年度以降を見据えた種まきを行い、新たなIPを生み出し、好きだと言ってもらえるような土壌をいかに作っていくかが重要となります。その方法としては、世界中の人々にアプローチすることができるネットワークを使った仕組みづくりが重要だと思っています。

パックマンの放映が始まります。

鵜之澤:3年ほど前から準備していた新作アニメ「PAC-MAN(パックマン) and(アンド) the(ザ) Ghostly(ゴーストリー) Adventures(アドベンチャーズ)」の放映が、6月に米国でスタートします。当初は秋の予定でしたが、前倒しとなりました。このビジネスを通じて、さまざまな大ヒット作品を送り出してきたプロデューサーでバンダイナムコグループの事業アドバイザーを務めたアヴィ・アラッド氏をはじめ、ハリウッドの一流の方々と仕事をするという大変貴重な経験をしています。ここで得たノウハウや人脈を次のステップにつなげていくためにも、まずはこのパックマンが市場でどう受け入れられるかをきちんと見届けたいと思っています。
パックマンの新作アニメは米国以外でも、全世界20以上の放送局で放映が決まっていますし、バンダイナムコグループ各社からゲームソフトや業務用ゲーム機、玩具などを発売し強力に盛り上げていきます。また、ライセンス商品も多数準備されており、すでに現地では盛り上がりの予兆のようなものを感じています。2013年の注力IPとして注目していただきたいと思います。

PAC-MAN and the Ghostly Adventures

PAC-MAN and the Ghostly Adventures
©2012 NAMCO BANDAI Games Inc

今後の抱負を聞かせてください。

鵜之澤:バンダイナムコグループの「IP軸戦略」の強みは、1つのIPを軸にさまざまな出口に向けダイナミックな展開ができることにあります。最近では、商品・サービスに加え、我々が手がけるライブもIP価値の最大化に大きく貢献しています。我々自身もライブという場を通じ、ファンの熱気や思いを共有することが、次の発想やビジネスにつながる原動力に結びついていると感じています。我々のビジネスは、IP創出に携わる多くの皆様の協力があって初めて成り立つものですし、皆様の大切なIPをお預かりしているわけですから、我々にはIPを育て、世界へ進出するようなビジネスモデルを確立する責任があると思っています。同時に、それを果たすことができるのがバンダイナムコグループだと自負しています。これからも応援のほど、よろしくお願いいたします。

「アイドルマスター」のライブイベントの様子

「アイドルマスター」のライブイベントの様子

※このインタビューは、2013年6月発行のニュースレター「バンダイナムコニュース」の一部を再編集したものです。

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