株式会社バンダイナムコホールディングス | BANDAI NAMCO Holdings Inc.

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キーパーソンインタビュー

株式会社サンライズ 代表取締役社長 宮河 恭夫

「面白いものは何でも挑戦する」
自由な発想から注目作が続々登場

株式会社サンライズ 代表取締役社長
宮河 恭夫

1981年4月
㈱バンダイ入社
1996年1月
㈱バンダイ・デジタル・エンタテインメント 取締役
2000年4月
㈱サンライズ 入社
2001年4月
ネットワーク開発部長
2004年4月
取締役
2008年4月
常務取締役
2011年4月
専務取締役
2013年4月
取締役副社長
2014年4月
代表取締役社長(現職)
2015年4月
㈱バンダイナムコピクチャーズ 代表取締役社長(現職)

大ヒットシリーズ「機動戦士ガンダム」シリーズや、社会現象ともいえる大ブームになった「ラブライブ!」など、近年話題作を続々と生み出しているサンライズ。今回は同社の宮河恭夫社長に、バンダイナムコグループの一員としての役割、グループならではの強み、昨年設立したバンダイナムコピクチャーズの現状、そして今後の展望などについて聞きました。

「メカアニメ」の印象が強いですが、それ以外にも話題作が続々と生まれています。

宮河:「面白いものは何でも挑戦してみよう」という姿勢がうまくいっていると感じています。確かに以前は、「ロボット(メカ)アニメの会社」というイメージがありましたが、いいものなら何でも挑戦していこうという雰囲気が浸透していき、自由な発想で作品が次々と生まれています。また、当社には、原作物のアニメ化に加え、オリジナル作品にこだわり育てていこうという伝統があります。「ラブライブ!」がここまで育ったのも、当社にオリジナル作品を育てる文化があったから、ということも理由の一つだと思います。

バンダイナムコグループの一員であることも大きな強みですね。

宮河:グループが連携するパワーがすごいと思います。アニメと連動し、玩具やゲームはもとより、音楽、ライブイベントなど、グループ各社が一体となって取り組みますからね。そして各社がばらばらに商品化するのではなく、グループ横断でIPを軸に考え方がしっかりとコントロールされています。この総合力は大きいですし、他社にはない強みだと思います。

「ラブライブ!」シリーズのブレークをどうみていますか?

宮河:アニメ制作という点では、丁寧に作品をつくってきたことに尽きると思います。監督と脚本家とスタッフが、「こういうものをつくりたい」という強い信念を持ち、クオリティをとにかく重視してきました。それが丁寧にアニメをつくり上げ、アニメと音楽、ライブイベントを連動させていくことにつながりました。

ラブライブ

「ラブライブ!サンシャイン!!」
©2016 プロジェクトラブライブ!サンシャイン!!

映像・音楽・ライブをミックスするきっかけとは?

宮河:2003年に開催した映像と音楽が融合した本格的なライブイベント「機動戦士ガンダム SEED FESTIVAL」が始まりとなりました。その後、2006年に㈱ランティスがグループ入りし、2010年に㈱バンダイナムコライブクリエイティブが設立されると、自分たちでコントロールできる本格的な音楽とライブのビジネスができるようになりました。映像と音楽とライブイベントをグループが一緒になって取り組むことで、ものすごく密度の濃い、ファンが納得できる世界観を再現したステージができるようになりました。これは我々にとって大きな飛躍となり、「ラブライブ!」シリーズでもこの効果が発揮されています。

サンライズにとってガンダムとはどんな存在ですか?

宮河:ガンダムは3つの基本要素で成り立っているコンテンツです。それは、「ロボットが登場すること」「戦争を舞台にしていること」「青春群像劇であること」です。これらを基本に、その時代に合わせて自由につくることでさまざまなバリエーションの異なる作品ができ上がってきた結果、37年支持され続けたのだと思います。また、ガンプラを代表とする商品とアニメが両輪となって作品の世界観をつくってきたことも大きいのではないでしょうか。

ガンダムに限らず全ての作品について言えることですが、作品づくりは1人の「これをやりたいんだ」という強い意志から始まります。これまでにないヒット作品というのは、企画段階では斬新さが理解されず、10人中9人が反対するようなものから生まれることが多いです。10人中9人が賛成するものは、どこか過去の延長のような作品になってしまいがちです。企画会議で私が一番重視しているのもプロデューサーがどれだけ強い信念と思いを持っているかということです。当社のプロデューサーたちの強い思いを信頼し、任せています。

「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」
©創通・サンライズ・MBS

新番組が続々と放映されています。

宮河:今秋から「機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ」第2期、「ドリフェス!」「マジきゅんっ!ルネッサンス」「クラシカロイド」「ヘボット!」が始まっています。「ヘボット!」は小学生男児をターゲットに玩具やゲームと連携し、グループで盛り上げていくIPです。「ドリフェス!」「マジきゅんっ!ルネッサンス」は、市場はあるものの、まだ我々が獲得しきれていない女性層を狙った作品です。また、「クラシカロイド」は、クラシック音楽との融合を狙ったこれまでにない作品となっています。どの作品も新しいことに挑戦していますのでご注目ください。

変身ベルト DXドライブドライバー&シフトブレス

「ヘボット!」
©BNP/BANDAI HEYBOT! PROJECT

IPの取り巻く現状をどうみていますか。

宮河:私は現在、政府のクールジャパン戦略推進会議のメンバーを務めていますが、世界に向けて日本の文化を発信していくということは業界にとってはいい動きですし、IPという観点でも前向きに取り組んでいきたいと思っています。リオ五輪の閉会式で、世界からの日本のIPに対する見方や注目度が変わったことも追い風です。私はほかにも、知的財産戦略本部の委員を務めていますが、「知的財産を制するものが先進国を制する」と言われるほどで、政府も注力しており、私たちの業界にとっては重要なことです。相手は世界ですから今までのようにドメスティックな考え方ではなく、覚悟を持って臨む必要があります。ヒット作を生み出す一方で、知的財産権をどう守っていくかを真剣に考えていく必要があると思います。

バンダイナムコピクチャーズ設立から1年が過ぎました。

宮河:㈱バンダイナムコピクチャーズは、キッズ・ファミリー層向けを中心としたアニメづくりを目指し、2015年4月にサンライズの制作部門の一部を分社して設立しました。まだまだこれからの会社ですが、今後力を入れていくことは、「アイカツ!」や「バトルスピリッツ」に続く作品をつくり続けていくことです。作品づくりという点では、これまで通り小学生など子どもをターゲットにしていきます。また、日本の少子化という状況を考えると、将来的には、日本だけでなく世界に通用する作品をつくっていかなければならないと思います。

仕事をする上でのポリシーは?

宮河:私自身のポリシーは「楽しくやろう」ということです。それから、自分がやりたいと思うことを実現させることですね。例えば、ライブの会社をつくったのも、私自身がライブ好きだからということもあります。どんな人にも、幼い頃に憧れていた職業や、やってみたいと思うことがあったはずです。それを、いい意味で会社というステージを活用して実現すればいいと思うのです。そうすることで、仕事に想像力や熱意が生まれますし、会社の活力にもつながります。

会社という視点では、原作物も大事にしつつ、オリジナル作品にこだわり続けたいと思います。一方で、映像制作には「仕込み」の時期がどうしても必要になります。最前線でビジネス展開を行う作品、仕込み中の作品、会社全体でバランスをうまくとっていきたいと思います。

将来的にサンライズをどんな会社にしたいですか?

宮河:とにかく、IP、オリジナル作品をどんどん生み出せる会社にしたいですね。また、今の当社に不足していることは、コンスタントに毎年映画をつくり続けるということです。これはどうしてもやっていきたいですね。最初は小規模で時間がかかるかもしれませんが、新たなパートナーや才能とも手をつなぎ、関係を構築し、良質な映画を制作し続けることができる会社にしたいと思っています。

※このインタビューは、2016年11月発行のニュースレター「バンダイナムコニュース」の一部を再編集したものです。

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