株式会社バンダイナムコホールディングス | BANDAI NAMCO Holdings Inc.

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キーパーソンインタビュー

(株)バンダイ 取締役 兼 バンダイ香港社長 五十嵐 正治

我々の考える「日本発アジア一気通貫」とは日本とアジアを1つの市場と捉え事業拡大を目指すこと
(株)バンダイ 取締役 兼 バンダイ香港社長
五十嵐 正治

1977年4月
(株)バンダイ入社
1991年4月
海外本部 開発推進室 課長
1993年3月
萬代(香港)有限公司 取締役
1998年1月
BANDAI U.K. LTD. 代表取締役社長
2003年2月
グローバル部 ゼネラルマネージャー
2005年10月
グローバル経営企画室ゼネラルマネージャー 兼 社長室 ゼネラルマネージャー
2006年4月
バンダイ取締役 海外政策担当 兼 グローバル 戦略室 ゼネラルマネージャー
2009年4月
萬代(香港)有限公司 代表取締役社長
2010年4月
バンダイ取締役 開発・生産政策 海外政策担当 兼 グローバル戦略室管掌
2013年4月
バンダイ取締役 グローバル政策、開発・生産政策(現職)

中期計画で「新成長領域」と位置づけ、「日本初アジア一気通貫強化戦略」や「バリエーション改革」などさまざまな施策を推進してきたアジアでの展開が、順調に推移しています。今回はアジア地域の状況と今後の展望について、地域統括会社である萬代(香港)有限公司(以下、バンダイ香港)の五十嵐正治社長に話を聞きました。

バンダイ香港の機能・役割は?

五十嵐:一言で言うとアジア地域における事業の統括会社です。2年ほど前に、香港地区の各SBU*と関連事業会社、合計7社のオフィスを1箇所に集約したことで、現場のコミュニケーションが活発になり、グループ各社の目指す方向性が統一されてきました。これにより、SBUや会社の枠を超えて現地イベントや生産面での相互協力などが自然発生的に行われるようになり、グループ一体となってアジア展開を推進できる環境が整ってきました。これからさらに情報の共有化を図り、アジア地域の事業活動を強化していきます。

入口

アジアではトイホビーの「日本発アジア一気通貫強化戦略」が好調ですね。

五十嵐:おかげさまでアジアでも、日本で人気の機動戦士ガンダム、仮面ライダー、スーパー戦隊、ワンピース、聖闘士星矢など、日本IP*の商品・サービスが順調に推移しています。
 「日本発」というと、上から目線で日本を中心に物事を考えているように思われがちですが、そうではありません。アジアという市場に日本で展開しているIPや商品などへのニーズがあれば、どんどん展開していこうということなのです。そして、アジアとひとくくりで言いますが、アジアという国はないのです。日本と嗜好が似ている部分が多い東南アジア地域、欧米と嗜好の近い西南アジア地域、そして可能性が高いものの取り組むべき課題も多い中国本土と、それぞれの国によって経済状況やメディア環境も違いますし、言葉や生活習慣、嗜好も異なります。バンダイ香港が、そういうマーケットやニーズをきちっと把握した上で、相互理解ができる日本との太いパイプを作り、提案していく。それが我々の考える「日本発アジア一気通貫」なのです。
 アジア地域における事業展開だけでなく、全世界に向けた生産のコントロールタワーとなるアジアには、さまざまな情報とスピードが要求されます。今後も常に半歩先で手を打ち、情報や仕事のノウハウを現地スタッフと共有し、事業戦略をたえず明確に打ち出すことで、社員のモチベーションや意識を向上させていきたいと思います。

イベント

アジア戦略会議の役割について聞かせてください。

五十嵐:アジア戦略会議は中期計画を機にスタートしたグループ横断の会議体です。四半期ごとにバンダイナムコホールディングスと国内外主要会社の役員が集まり、情報交換はもとより、具体的なビジネスについてもSBUの枠を超えて協議しています。これはビジネスを進める上で非常に意味がありますし、さまざまなアイデアも生まれています。例えば、2013年夏に香港で開催した大型イベント「GUNDAM DOCKS AT HONG KONG」は、ガンダムというIPが持つ世界観を存分に発信することができましたが、これもアジア戦略会議が大きな役割を果たしています。

メディアに対する対策は?

五十嵐:従来よりバンダイ香港内にあったメディア媒体やIP著作権保有会社と交渉を行う機能をより強化するために、2013年度より「アジアメディア部」を新設しました。各国ごとの環境も異なり、簡単なことではありませんが、さらにキャラクターマーチャンダイジングを拡大するために、人材を配し、メディア媒体と商品・サービスの密接な連動を図るべく、コミュニケーションを強化する活動を行っています。

アジアならではの試みも生まれていますね。

五十嵐:2013年より石森プロ、伊藤忠商事がインドネシアのメディアと組んで製作したインドネシアオリジナル特撮番組「Bima(ビーマ) Satria(サトリア) Garuda(ガルーダ)」が放映され、バンダイが発売した関連商品も人気となっています。また、当地ではバンダイナムコゲームスと組んでデジタルカード筐体も導入しています。このほか、日本IPの商品でも、現地の嗜好にあわせた仕様変更や低価格商品の投入など、ニーズにあわせた展開を図っています。これから各地域や各事業でこのような展開ができればと思っています。

10年先を見据えた「事業のローカリゼーション」が必要

そのほかの事業の状況は?

五十嵐:ハイターゲット向けのコレクタートイやガンプラ(機動戦士ガンダムのプラモデル)も順調です。ガンダムについては、公式情報サイト「GUNDAM.INFO」を活用し、映像配信を日本と同日に実施したり、最新情報を掲載するなど時差のない取り組みにより、アジアでの認知度を高めた結果が表れてきています。また、コレクタートイは中国でのショールーム開設や各地のイベント開催で商品ブランドの浸透を図っています。
今後は、玩具菓子やカプセル玩具などの玩具周辺事業も強化していく方針です。また、女児玩具については、「プリキュア」シリーズの市場開拓を進めていますが、さらに「アイカツ!」も展開をスタートしました。
そして、何でも日本発というのではなく、アジア発のオリジナルIPがあってもいいと思っており、バンダイ香港でも独自にアジア向けIPの開発に取り組んでいます。また、現在はアジア展開における幹を太くする過程ということで、トイホビー事業のウエイトが大きいですが、市場性の検証を行っているアミューズメント施設事業、業務用ゲーム機の強化やネットワークコンテンツのアジア展開を視野に入れているコンテンツ事業と連携をとり、「同魂異才の集団」としてグループの総合力をさらに発揮したいと思います。

アイカツ!

Eコマースも展開していますね。

五十嵐:自社のECサイト「プレミアムバンダイ」は、限定商品などもあって海外のファンからのニーズも高く、2012年の香港に続き、2013年末に台湾でもオープンしました。このほか中国では現地のECサイトを活用するなど、地域特性にあわせてさまざまな取り組みを行っています。

2014年は中期計画の最終年度です。

五十嵐:今年は次の中期計画に向けた準備期間になりますが、そこで一番重要なのはやはり人材育成です。バンダイ香港では、これまでにも国籍を問わずアジア各国のグループ会社の人材を集め、マネジメント研修を行ってきましたが、こうした取り組みをさらに強化し、人材育成を図ります。
事業面では、今年は「日本発アジア一気通貫強化戦略」などさまざまな施策の成果や課題が出る年だと思います。環境もどんどん変化していますので、最終年度は次期中期計画に向けてグループ一丸となった体制づくりを行います。アジアにいる我々だからできるアドバイスを各SBUや各社にすることも、地域統括会社の役割だと思います。
我々にとって大切なことは、10年先を見据えて、今、事業のローカリゼーションに向けて杭を打っておくことです。グローバルな視点で仕事ができる香港にアジアのヘッドクォーターオフィスを置き、グループ各社の拠点を集約したのも、2013年に新たな生産工場をフィリピンに建設したのも、その取り組みの一環なのです。今後も足元の変化をスピーディに収集するとともに、中長期を見据えた取り組みの先手を打つことで、アジア展開の拡大に貢献していきたいと思います。

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※このインタビューは、2014年3月発行のニュースレター「バンダイナムコニュース」の一部を再編集したものです。

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