TOP INTERVIEW
ガンダムなど定番IPが強い存在感を発揮
代表取締役社長 CEO
浅古 有寿 Yuji Asako
2025年度の業績を発表しました。
業績は、売上高1兆3,482億円、営業利益1,895億円、経常利益2,019億円、親会社株主に帰属する当期純利益1,406億円となりました。売上高と全ての利益において、過去最高業績を更新し、中期計画初年度を非常に良い形でスタートすることができました。
IPでは、ガンダムシリーズのグループ売上高が2,500億円を超えるなど、定番IPが力強い存在感を発揮しました。事業別にみると、トイホビー事業が8期連続、アミューズメント事業が4期連続の過去最高業績となりました。また、全ての事業が年初に掲げた計画を達成することができました。
トイホビー事業は一部関税の影響を受けましたが、現場社員のスピーディな取り組みと各カテゴリーの好調な業績によりカバーすることができました。また、特定の商品やカテゴリーに偏ることなく、すべてのカテゴリーが好調を維持しました。そして、今後の成長を見据え、生産体制の強化にも着手しました。
デジタル事業は、ネットワークコンテンツにおいて、定番IPの既存タイトルが安定的に推移したことに加え、新作タイトル「SDガンダム ジージェネレーション エターナル」が年間を通して大きく貢献しました。家庭用ゲームでは「ELDEN RING NIGHTREIGN」や同タイトルのダウンロードコンテンツ(以下DLC)、さらには「デジモンストーリー タイムストレンジャー」などが人気となりました。
映像音楽事業は、「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」がガンダムのファン層を拡大し、グループ全体の商品・サービスのヒットに波及しました。また、今年1月に劇場公開を開始した「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女」が好スタートをきりました。このほか、ラブライブ!シリーズが、劇場作品・音楽・ライブイベント等の展開で人気となったほか、既存のガンダムシリーズや「ワンパンマン」などのグローバル展開や映像配信が好調に推移しました。
アミューズメント事業は、「バンダイナムコ Cross Store」やIPの体験型公式ショップ「THE★JOJO WORLD」など、バンダイナムコならではの強みを活かした施設が人気となったほか、国内既存店売上高は前期比107%となりました。業務用ゲーム機では、「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2」のアップデート版が人気となりました。
2025年度の株主還元について教えてください。
当社の株主還元に関する基本方針にのっとり検討した結果、期末配当金は1株あたり50円、これに中間配当金を加えた年間配当金は73円とさせていただく予定です。配当金と第4四半期に実施した自己株式取得をあわせると、総還元性向は51.0%となります。なお、2026年4月末には保有する自己株式のうち500万株を消却しております。2026年度の株主還元については、基本方針のもと、継続的に検討してまいります(事業別業績の詳細は5ページ、配当の詳細は12ページをご参照ください)。
2026年度業績予想については?
2026年度は、売上高1兆3,500億円、営業利益1,850億円を見込んでいます。原材料価格や物流コスト上昇の影響を一定程度織り込んでいますが、さまざまな施策によりスピーディに対応することで吸収していきたいと思います。売上高は過去最高を更新、営業利益は前期と同規模の計画となりますが、目標としては最高益更新に向けて取り組む所存です。
新たな展開に向けた成長戦略
事業別の2026年度の動向を教えてください。トイホビー事業は?
トイホビー事業は、引き続きワールドワイドでIPラインナップ、カテゴリー、エリア、タッチポイントの拡大を進めます。利益については、原材料価格や物流コスト上昇に伴う影響などを織り込みつつも、各カテゴリーの好調を継続し、最高業績更新を目指します。
国内トイホビー売上高が1,000億円を超えたガンダムは、2026年度も同規模の売上を計画しています。プラモデルの新工場では、2026年6月をめどに合計94台の成形機を導入し、2023年度のプラモデル生産高比で35%の増産体制となります。また、国内に加え、海外におけるファンとのタッチポイントを増やすべく、直営店の「THE GUNDAM BASE」の出店を拡大しています。今後もワールドワイドでファンとのタッチポイントを拡大する予定です。
また、今年7月にガンダムのトレーディングカードゲームが1周年を迎えます。ゲーム性やミニチュアゲームのガンダムアッセンブルとともに人気となり、当初の想定以上に欧米での人気が高まっています。
新しい商品カテゴリーとしては、卓上ゲームの新ブランド「BANDAI TABLETOP GAMES」の展開を7月よりスタートし、新たなジャンルにチャレンジします。
たまごっちは、幅広い年代に支持されるIPとして、本体だけでなく、さまざまな商品が人気です。30周年の今年は、常設店舗や記念イベント、異業種とのコラボなどで話題を盛り上げ、次の40周年、50周年に向けて話題をつなげていきます。
トイホビーの中長期的な伸びしろはグローバル展開であり、重点市場は引き続き北米と中国です。北米では、カードも好調です。中国においても我々の商品・サービスに対するファンの熱量は引き続き高い状態が続いています。4月には、上海に、中国初のトイホビー商材の総合店舗をオープンしました。また、現地IPの商品化など地産地消の取り組みを進めています。これからもさまざまなアプローチでファンとのコミュニケーションを深めていきます。

発売1周年を迎える
「ガンダムカードゲーム」
©SUNRISE ©SUNRISE・MBS
©BANDAI

新商品カテゴリーとして展開を発表した
「プラコロ」
©Pokémon.
©Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
デジタル事業はいかがでしょうか?
デジタル事業では、最適なポートフォリオ構築を目指した体制強化の効果が現れ始めてきました。足元では「SDガンダム ジージェネレーション エターナル」の1周年施策が好調です。ネットワークコンテンツは、既存タイトルの継続的なファンコミュニケーションにより安定運営を実現しデジタル事業の収益基盤を強化します。
家庭用ゲームの今後の新作としては、今夏に「ドラゴンボール Sparking! ZERO」の大型DLC「NEO」、2026年内に「ACE COMBAT 8」の発売を予定しています。また、2027年には「ドラゴンボール ゼノバース3」を発売します。本作では、DRAGON BALLの新しい世界「AGE 1000」の未来を舞台に、鳥山 明氏が描いた個性豊かなキャラクターたちも登場予定です。
開発力強化の一環としては、内製ゲームエンジンとして開発した「SOL-AVES」を、さまざまなタイトル開発において活用していきます。
このほか、ライセンスビジネスなど、ゲーム発IPの展開も強化しています。「PAC-MAN」など自社IPのライセンス展開に加え、「アイドルマスター」シリーズの海外でのライブイベント開催も計画しています。「ELDEN RING」については、実写映画の製作を進めており2028年3月にグローバルでの公開を予定しています(※日本での公開詳細につきましては、後日改めてご案内いたします)。今後も既存のアプローチにこだわらず、IP価値最大化に向けて、タッチポイントや展開範囲を広げていきます。

「ドラゴンボール Sparking! ZERO」の
大型DLC「限界超突破DLC『NEO』」
2026年夏配信予定
©バード・スタジオ/集英社・東映アニメーション
©Bandai Namco Entertainment Inc.

エースコンバット シリーズ最新作
「ACE COMBAT 8: WINGS OF THEVE」
2026年発売予定
ACE COMBAT 8: WINGS OF THEVE™& ©Bandai Namco Entertainment Inc. br CORE
IMAGERY – VIEW-READY © 2025 Vantor.
All trademarks and copyrights associated with the manufacturers, aircraft, models, trade names, brands and visual images depicted in this game are the property of their respective owners, and used with such permissions.
映像音楽事業はいかがでしょうか?
2026年度の映像音楽事業は、引き続きIP軸戦略の源となる良質な作品を創出するとともに、組織再編による効果の早期発揮を目指します。具体的には、ガンダムビジネスのさらなる強化・拡大、映像音楽資産の活用、ライブイベント展開を強化します。利益面においては、劇場大型作品の償却負担や、6月末からのライブホール「Shibuya LOVEZ」の本格稼働に伴う初期費用を見込んでいます。
ガンダムについては、劇場作品「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女」の北米公開が決定したほか、2024年に公開し大ヒットした「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」の前日譚「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM ZERO」の製作も決定しています。また、実写版ガンダムについては、主要キャストが決定し撮影を開始しています。展開時期は未定ですが、ワールドワイドでファンの裾野を広げていきます。
このほかにも、IP軸戦略の源を担う事業として、多様なIPによる劇場作品、TVアニメなどを、自社スタジオ制作、協業作品などにより、たくさんのファンに刺さる作品の創出を行います。
次に、音楽事業ですが、4月に実施した音楽事業に関する再編は、音楽制作、音楽出版、ライブの三位一体での成長を目指すため実施したものです。音楽は、グループの全ての商品・サービスに寄り添い、事業を横断し、伴走する存在です。グループのさまざまなインフラやノウハウを活用することでバンダイナムコらしい音楽事業を創出したいと考え、CW360が立ち上げたプロジェクトとともにさまざまな検討を行ってきました。
その中で実現したのが、(株)ウドー音楽事務所との戦略的パートナーシップです。ご存知の通りウドー音楽事務所は国内外の一流アーティストの公演の企画制作やコンサート運営の実績とノウハウをお持ちで、アーティストや音楽関係者からも厚い信頼を寄せられています。
一方、バンダイナムコはIP関連をはじめ多彩なジャンルのライブを手掛けています。今後は、両社の協業により、双方の強みを活かしたライブイベント・音楽事業を行います。また、将来的なグローバル展開も視野に、バンダイナムコらしいライブイベントや音楽事業の創出に向けてさまざまな取り組みを進めます。まもなく渋谷に我々のライブホール「Shibuya LOVEZ」がオープンしますのでぜひご期待ください。

北米公開が決定した
「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女」
(2026年5月15日公開)
©SUNRISE

ライブホール
「Shibuya LOVEZ(シブヤ ラブズ)」
アミューズメント事業については?
施設事業については国内、既存店売上高前期比104%と好調継続を見込んでいます。業務用ゲーム機については、中小型タイトルをメインに下期中心に新製品の販売を予定しています。
施設事業では、「THE★JOJO WORLD」がファンから大きく支持されています。アミューズメント事業の企画・運営力とIPの世界観を融合させることで、幅広い層に高い評価をいただいています。現在は、「ONE PIECE」の公式ショップ「ONE PIECE BASE SHOP」も運営しています。独自の強みを活かしたIP体験型公式ショップについては、ファンのニーズも非常に高いことから、さらなる新店の展開も検討していきたいと思います。また、グループのIPや商品ブランドを一堂に集めた「バンダイナムコ Cross Store」も国内外で人気となっており、トイホビー事業の好調を後押ししています。
業務用ゲーム機については、IPを活用した機器、人気シリーズの新製品など複数の開発を行っています。施設という場でしか楽しめない新しい遊びの提供を目指し、施設業界そのものを盛り上げていきたいと思います。アミューズメント事業は今後も、独自の強みを活かした展開とグループ連携により、バンダイナムコにしかできない価値ある場を提供していきます。

大海賊時代没入型パンチングゲーム
「ONE PIECE ドーンストライク」
© 尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション
©Bandai Namco Experience Inc.

大好評を得ている体験型公式ショップ
「THE★JOJO WORLD」
©荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社 ©荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険THE ANIMATION PROJECT GAME ©Bandai Namco Experience Inc.
最後に、読者にメッセージをお願いします。
2025年度を総括しますと、トイホビー事業は現中期計画における成長ドライバーとして業績をけん引することができました。デジタル事業は最適なタイトルポートフォリオ構築に向けた取り組みの効果が出始めてきました。映像音楽事業については再編を行い、IP価値の最大化とバンダイナムコらしい音楽事業を創出する体制が整いました。アミューズメント事業は、独自の企画運営力とグループと連携した取り組みにより結果につなげています。そして、あらゆるパートナーとの協業やアライアンスを広げるCW360も本格的に始動しました。
中期計画1年目となる2025年度は、過去最高業績という数字面だけでなく、さまざまな戦略や施策の進行も含めて良い形でスタートすることができたと思います。2026年度も、課題を遅滞なくキャッチアップし、順調な分野はより盤石な体制を、また、環境変化には迅速に対応してまいります。これにより、次期中期計画に向けた基盤をより強くしていきたいと考えています。
引き続き、IPや商品・サービスに愛情をもって愚直に向き合い、世界中のファンとのつながりを広げ、深めていきたいと思います。
