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祝! たまごっち30周年 世界累計出荷数1億個達成 TAMAGOTCHI

1996年に産声を上げた「たまごっち」。手のひらのたまご型デバイスに宿る小さな命は、いつの時代も世話のやける存在として世代や国境を越えて愛され続けてきました。2025年7月末には世界累計1億個の出荷を達成し、2026年11月にはいよいよ発売30周年を迎えます。その歩みや展望について、(株)バンダイ 常務取締役 辻太郎CTO(チーフたまごっちオフィサー)と、ライセンス業務を担当する橋本実希子よりご紹介します。

interviewer

(株)バンダイ
常務取締役
辻 太郎
Taro Tsuji
着用しているシャツは過去に限定生産した特別仕様。国内外のファンからの反響も大きいアイテムです。
(株)バンダイ
バンダイ メディア部 チーフ
橋本 実希子
Mikiko Hashimoto
推しは「じぇむっち」。人気のたまごっちにしたいと、ひそかに奮闘中です。

世代を超えて30年間愛されるたまごっち。その魅力をどのように捉えていますか。

時代に合わせて変化を遂げながらも、普遍的なおもしろさがある――。それがたまごっちの魅力だと思います。たまご型のデバイスに液晶があり、3つのボタンがついているという基本構造や、電源のオン・オフがない=「放っておけない」設計は発売以来変えていません。
一方で、赤外線通信やWi-Fi機能、NFC通信機能の導入など、時代の最新の技術を取り込んで進化させてきました。そしてもう一つ大切にしているのが“トゲ”の概念です。たまごっちの手書き風の文字やちょっと詩的な世界観、ちょっと変で引っかかるたまごっち——モノも情報も溢れる時代に選ばれ続けるには、この“トゲ”のある存在であり続けることが必要だと思っています。

橋本たまごっちの歩みは順風満帆ではありませんでした。初代「たまごっち」は社会現象となるほどの人気があった一方で、購入できないお客さまも多く大変なご迷惑をおかけした経緯もあります。どうにか増産体制が整ったタイミングで模倣品の流出が相次ぎ、大量に在庫を抱えたままブーム終了…。本当に波乱万丈でした。
それでもお客さまはたまごっちを愛し続け、ブームが下火のときも遊んでくださっていました。ペット育成遊びは普遍的な面白さがあり、たまごっちの可能性を私たちに気付かせてくれました。グループとしても大切に育んできて、数年ごとに新機種の発売を継続できたのが今につながっています。

現在は平成レトロブームの追い風もあり“第四次たまごっちブーム”とも表現され、大きな盛り上がりの中で30周年イヤーを迎えます。

ブランドパーパスを、「世話のやけるよろこびを世界中の人々に。」と掲げ、国内外に向けてお世話する楽しさを届けてきました。
30周年を迎えた今年は、原宿に常設店舗「たまごっち ふぁくとり~!」をオープンし、体験型店舗として連日多くのお客さまに楽しんでいただいています。また、「30周年記念 大たまごっち展」と題した記念展として全国巡回中で、各地で大たまごっち展限定グッズも販売しています。

橋本親子で楽しむ体験をたくさんお届けしたいと考えています。第一次ブームで遊んでいた方々が今は親御さん世代になり、お子さんと最新機種を楽しんでいらっしゃる。また、赤外線通信機能がついた第二次ブーム世代や、アニメやカラー液晶で親しんだ第三次ブーム世代のファンにも、ガシャポン、ぬいぐるみ、マスコットなど、おもちゃ以外の入口もたくさん用意しています。
たまごっちは現在1,500種以上いますが、かわいい中のへんてこさである“トゲ”も大きな魅力で、その多様性と個性こそが30周年ブランディングの核です。


「たまごっち ふぁくとり〜!」(東急プラザ原宿「ハラカド」)
“体験”をコンセプトとした店舗で、商品を購入するだけでなく、お客さま自身でカスタマイズできる「ワッペンワーク」などもご用意。大人気の「Tamagotchi Paradise」はもちろん、ここでしか購入できない限定グッズなど、「たまごっち」の商品を100種類以上展開。
※商品のラインアップは在庫状況により変動。

「大たまごっち展」
※2027年冬頃まで全国巡回予定。
たまごっちの展示に留まらず、デバイスの中に入ってたまごっちになったような体験ができるというコンセプトの体験型の展覧会。30周年ならではのアイテムとしてコラボデザインデバイスや、復刻したシールやカードなど、限定商品も好評。

今後目指す、具体的な数値目標があれば教えてください。

1,000億円規模の市場をつくることです。現状から倍の数字になりますが、成長の源泉は大きく二つあります。
一つは世界展開です。海外では現地グループ販社にマスターライセンスを供与し、各国のチームが主体的に戦略を立てています。ちなみに、海外では初代「たまごっち」が日本の1年遅れで発売されたため、2027年が海外での30周年イヤーになります。今年はその前哨戦として、世界的な盛り上がりをしっかり仕込んでいきます。

橋本欧州では日本側では思いつかないようなデザインで商品化の提案が届くこともあったり、韓国ではコスメ分野のコラボの相談を多数いただくなど、現地の感覚とスピードが全世界での展開加速の大きな力になっています。
とりわけ、北米・中国内地・日本以外のアジア・ヨーロッパなど、まだまだ成長の余地があるため、引き続き各国のグループ会社とも協力して注力していきます。

もう一つが国外だけではなく国内のライセンスアウトの強化です。橋本を中心としたチームで本格的に取り組みを始めたのは2022年頃からですが、大きな手応えを感じています。


「たまごっち」シリーズ累計出荷数の内、海外への出荷が全体の51%を占めています。 また、海外では各国のグループ販社にマスターライセンスを供与し、現地チームが主体的に戦略立案。全世界での商品展開の加速につなげています。 写真はニューヨークのタイムズスクエアにあるMINISOでのポップアップストアの様子。

アメリカでは「くら寿司」とタイアップ。海外では和食チェーンなどを中心にタイアップが続いており、「たまごっち」の認知が高まっています。

ライセンスアウトの取り組みへの期待が高まっていますね。

橋本ありがたいことに各方面から多くのお話をいただくのですが、たまごっちとその商品との相性を重視させていただいています。パッケージにたまごっちをのせただけというものではなく、たまごっちが発売当初から大切にしてきた「お世話をする」「電源のオンオフがない」という価値観と親和性の高い、日常に寄り添えるアイテムだったり、ライセンシー企業の方と一緒にものづくりができるような、そういった視点で取り組んでいます。お互いが愛を持って一緒につくり上げることが、ライセンスアウトの一番大切なポイントだと感じています。
直近の成功事例として特に印象深いのが、ユニクロさんとのコラボレーションです。たまごっちのUTと、「Original Tamagotchi」を全世界の店舗に展開し、社会的なインパクトや反響も大きなコラボができました。

また、映像や音楽などのコンテンツ制作の強化も視野に入れています。アニメやゲームから生まれたIPと異なり、たまごっちは玩具発のIPです。だからこそ、映像という強力な発信手段で世界に届けることへの期待も高まっています。

橋本今後もファッション・コスメ・飲食など各カテゴリーのトップ企業と、国内にとどまらずワールドワイドに展開できる大型コラボを複数予定していますのでご期待ください。

以前は「たまごっち」デバイスを販売することが最大の目標でした。しかし、今は違います。ぬいぐるみや雑貨を一緒に展開できるようになって、幅広い層にアプローチできています。これも、30年かけてたまごっちが育ったから。「このたまごっちが好き」「こんなものが欲しい」という声が世界中で生まれています。北米を中心にRoblox上にたまごっちの仮想空間を設けてオンラインでも体験できる場をつくるなど、デジタルとフィジカルを融合させた展開も進めています。グループ一丸となってこのIPを盛り上げていける——。こんなに心強い仲間がいるということが、本当にありがたいと思っています。


今やたまごっち本体にとどまらず、玩具発IPとしてさまざまな展開を実施。
世代・地域を超えて愛されるIPへと成長を遂げています。

株主、投資家の皆さまにメッセージをお願いします。

橋本たまごっちの持つ、ただかわいいだけじゃない“トゲ”が、これからの伸びしろそのものだと感じています。1,500種以上いるたまごっちの多様性など、時代の世相を物語っているとも感じます。この愛すべきIPを、ブームとして消費されるのではなく、いつでも寄り添える存在として世界中で長く愛されるものにしていきます。皆さま、どうぞ楽しみにしていてください。

この30年、たまごっちを一生懸命大切に育て続けてきました。次の50年、100年に向けて、安定的な成長を続けることが企業価値の向上にもつながる大切なことだと思っています。
 たまごっちには、トイホビー事業だけでなくデジタル事業でもアミューズメント事業でも評価されてきた実績、ライセンスアウトを通じた多領域への広がり、そして世界市場への大きな成長の余地。この三つの強みが揃っています。このブランドの可能性を、グループ総力で広げていきます。
 コンテンツの価値はスペックではなく、関係性に宿る――。私はそう考えます。どれだけ技術が進んでも、人の心を少しだけ振り回すような存在こそが長く愛される。我々チームが一丸となって、持続的に、かつこれからさらに大きくなるたまごっちを作り上げていきます。株主の皆さまの期待を“いい意味で”裏切り続けてみせます。

 
「たまごっち」は1996年11月23日に発売され、全世界累計1億個を出荷しています。
(2025年7月末時点)

Tamagotchi HISTORY

1996初代「たまごっち」

携帯型ペット育成玩具として11月23日に発売。当時女子高生を中心に大ブーム。8カ月で国内累計販売数1,000万個を記録した。

2004かえってきた!たまごっちプラス(赤外線通信機能搭載)

赤外線通信機能を搭載。大人の真似事をしたい小学生女児の間で大ブームに。その後発売した「祝ケータイかいツー!たまごっちプラス」と合わせ500万個を販売。

店舗では大行列ができ、社会現象となるほど爆発的なブームに。
初代「たまごっち」意匠図面 (意匠登録第993383号)

2004年の新機種の発売にあたっては、1996年に模倣品が多発した反省を生かし意匠登録を行った「たまごっち」の形状を流用しつつ、発売前の広告には商品のデザインを公開しないなどさまざまな対策を講じました。
また海外についても、国ごとに異なっていた商品名に個別に対応するため、1997年には27の国・地域に147件、39種類の商標を出願しました。

2008たまごっちプラスカラー(カラー液晶搭載)

カラー液晶を搭載。たまごっちの表情や季節・時間などの表現が可能に。翌年にはアニメもスタート。

2023Tamagotchi Uni(Wi-Fi搭載)

初の世界同機種、同時発売。Wi-Fi機能を搭載し、世界中のたまごっちユーザーとつながることが可能に。

2025Tamagotchi Paradise(ズームダイヤル搭載)

初代「たまごっち」で遊んだ世代からそのお子様世代、そして“平成女児売れ”ブームで20~30代を中心にたまごっち関連グッズが流行。

2026

東京駅八重洲地下中央口改札前のぞみ広場たまごっちラッピング。30周年イヤーも皆さまに楽しんでいただけるさまざまな施策を実施します。

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