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キーパーソンインタビュー

福田 祐介

「世界一の総合ホビーエンターテインメント企業」をビジョンに事業のさらなる拡大を目指す

株式会社BANDAI SPIRITS 代表取締役社長福田 祐介
1961年2月9日生
1985年4月
㈱バンダイ入社
2001年4月
執行役員社長室ゼネラルマネージャー
2003年4月
執行役員キャンディ事業部ゼネラルマネージャー
2006年4月
取締役
2011年4月
常務取締役
2015年4月
専務取締役
2015年8月
代表取締役副社長
2018年6月
㈱BANDAI  SPIRITS取締役(非常勤)
㈱バンプレスト代表取締役社長
2019年4月
㈱BANDAI  SPIRITS代表取締役社長
㈱バンダイ取締役(非常勤)

ハイターゲット層(大人層)に向けたトイホビー事業の展開を行う㈱BANDAI SPIRITSは、2019年4月、市場の深掘りと海外事業の展開を加速させることを目的に㈱バンプレストと統合し、事業のさらなる拡大を目指しています。
今回は同社の福田祐介社長に、経営方針や今後の注目商品などについて話を聞きました。

BANDAI SPIRITSの主な事業内容を教えてください。

福田:当社は「世界一の総合ホビーエンターテインメント企業」をビジョンに、ハイターゲット層に向けたエンターテインメント事業を幅広く手がけています。これまでのBANDAI SPIRITSは、「ガンプラ」などのプラモデルを展開するホビー事業、フィギュア・ロボットなどのコレクターズ事業、「一番くじ」などを扱うロト事業を中心にビジネス展開してきましたが、このたびのバンプレストとの統合により、クレーンゲーム機景品のプライズ事業が加わりました。今後各事業において、国内No.1のポジションの維持・拡大を目指すとともに、海外市場での事業拡大を強化していきます。
 海外に目を向けると、例えばアクションフィギュア市場は、国内の10倍以上の規模があり、成長率も高く、当社では、大きな伸びしろが期待できます。中でも、特に成長を見込み拡大をはかるエリアを中国と北米に位置付け、海外市場に積極的にチャレンジしていきます。

BANDAI SPIRITSの強みは何でしょうか?

福田:第一に、IPを軸に幅広い層に向けて、商品を展開できる点です。これまで、BANDAI SPIRITSでは、「機動戦士ガンダム」シリーズ、「ドラゴンボール」シリーズ、「ワンピース」など、男性ファンに向けたIP商品を得意としてきました。一方、旧バンプレストでは、「ディズニー」や「ポケットモンスター」など女性にも人気の高いIP商品を展開してきました。さらに、旧バンプレストが扱ってきた低価格商品も加わり、価格帯のラインナップが広がることで幅広い価格帯を網羅し、オールターゲットに向けた商品展開が可能となりました。
 第二の強みは、国内から海外まで一貫した商品・サービスの提供を行うことで、事業の最大化が可能な点です。例えばプライズ事業では、国内で展開しているクレーンゲーム機景品の海外販売を推進しているほか、コレクターズ事業では、企画段階から世界市場を視野にフィギュアの商品化を進めています。ワールドワイド視点での事業展開を現場が強く意識することで、事業の拡大にドライブがかかっています。
 第三の強みは、企画開発、生産、マーケティング、販売のサイクルを、スピードをもって回している点です。いわゆるバリューチェーンのサイクルの回転スピードを上げることで、時代や顧客の変化にすばやく対応できるだけでなく、問題のあるプロセスにいち早く気づき、速やかな戦略転換が可能となります。
 このほか、「技術力」「品質力」「個々の商品のブランド力」の強化に取り組んでいる点も、市場から支持されている大きな要因になっていると思います。

国内・国外市場に具体的にどうアプローチしていますか?

福田:国内市場ではモノ需要に限らずコト(体験)に対するニーズが高まっています。そこで、ロト事業では、モノとコトをかけ合わせた新事業領域の開拓を目的に、自分の好きなデザインを自分の爪のサイズにオーダーメイドできるキャラクターネイルシール『Mellowtrill Nail(メロトリネイル)』を発売するなど、コト型ビジネスをベースに、ハイターゲットの女性市場の創造に取り組んでいます。
 海外については、昨年8月にオープンした「ガンプラ」を主体とした総合施設『THE GUNDAM BASE SHANGHAI』が盛況です。中国では、コミックやネット配信をベースにした中国・アジア市場と向き合うオリジナルIPの『SDガンダムワールド 三国創傑伝』と連動した「ガンプラ」の展開を行っているほか、今年3月には、大人のためのウルトラマンイベント『ULTRA HEROES TAMASHII』を上海で開催し、好評を得ました。また、トイホビー事業の強化を目的にBANDAI NAMCO Toys & Hobby(SHANGHAI) CO., LTD.が設立され、今後本格稼働していく予定ですが、私たち自身の力を強化していくことに加え、現地で大きな影響力を持つECサイトや動画共有サイトなどの大手メディアとパートナーシップを確立しながら、事業の拡大を目指していきたいと思います。
 欧米については、昨年夏~秋に版権元さまと連携して北米7会場で開催したイベント『ドラゴンボール北米ツアー』が大成功を収めました。今年はツアーの開催地域を世界8都市に拡大し、さらにワールドワイドで「ドラゴンボール」の魅力を発信していきます。また、昨年10月には、現地パートナーとともに、ハイターゲット層に向けた商品の販売・マーケティングを行う新会社としてBANDAI NAMCO Collectibles LLC(屋号:BLUEfin)を北米に設立しました。きめ細かい配荷能力を持ち、イベントの物販も得意とするBLUEfinを通して、商品展開の拡大や、イベントへの参加によるプロモーション施策などに取り組んでいきます。
 このほか、当社が運営する公式オンラインショップ『プレミアムバンダイ』が今年10周年を迎えたことを機に、海外でのEC事業の構築についても、アクセルを踏んで取り組んでいきたいと思います。

キーパーソンインタビュー2019年6月10日号『SDガンダムワールド 三国創傑伝』のプラモデル各種
©創通・サンライズ

キーパーソンインタビュー2019年6月10日号『Mellowtrill Nail Powered by YourNail』

40周年を迎えるガンダムを盛り上げるため新たなガンプラを順次投入

今期期待できる商品やサービスを教えてください。

福田:まずホビー事業では、今年「機動戦士ガンダム」のテレビシリーズが放送40周年を迎えたことを受け、「ガンプラ」を用いた各種記念企画をスタートさせました。具体的には、4月からプロ野球12球団とコラボレーションした『12球団カラーリングガンプラ』(全12種類)を順次発売しているほか、2019年中に世界的な工業デザイナーの奥山清行氏が率いるKEN OKUYAMA DESIGNがデザインしたガンダムが登場するスペシャルムービーの制作と「ガンプラ」の販売などを行う予定です。「ガンプラ」は、2019年4月に累計出荷数5億個を突破し、2020年は販売開始から40周年となりますので、さらに市場を盛り上げていきたいと思います。
 国内フィギュア市場No.1のブランド力を誇るコレクターズ事業は、今年4月に秋葉原にオープンした直営フラッグシップショップ『TAMASHII NATIONS TOKYO(魂ネイションズ東京)』を通じて、当社が展開する大人向けコレクターズ商品の魅力を世界に向けて発信していきます。

キーパーソンインタビュー2019年6月10日号『TAMASHII NATIONS TOKYO』

このほか、プライズ事業でも、中国・台湾を中心にアジア各地域のクレーンゲーム市場に向けて商品展開を強化していきます。

仕事に対するポリシーを聞かせてください。

福田 バリューチェーンの各サイクルをできるだけ速く回転させるために、大枠の方向性は示しつつも、個々の仕事については社員に大胆に任せたいと思っています。
 また、社員とのコミュニケーション活性化の一環として、各部門で新商品を発売する際、企画開発担当者のプレゼンテーションを受けています。企画の具体的な内容に口を出すことが目的ではなく、私自身が担当者の熱意を感じ取りたいからです。社員一人ひとりの仕事に対する情熱こそ、企業の成長力や競争力の源泉になると考えています。
 私が仕事のモットーにしている言葉は、「道は平素にあり」です。成功するための方程式やアイデアは、特別な所にあるわけではなく、私たちの普段の生活の中にどこにでも存在しているはずです。それに気づき、強い情熱をもって具現化できるかが、成功の鍵になります。常にアンテナを張り巡らせ、さまざまな刺激を受けながら、仕事に取り組んでいきたいと思います。

※このインタビューは、2019年6月発行のニュースレター「バンダイナムコニュース」の一部を再編集したものです。