事業等のリスク

バンダイナムコグループが中長期的に持続的な成長を続けるためには、環境変化にスピーディに対応し、グループを取り巻くリスクと機会を認識するとともに、それらへの対応を検討し実行することで、リスクの低減と機会の最大化をはかることが必要です。トップミーティングや各種委員会において、リスクや機会となり得る情報の分析や共有を行い、対応策を検討することにより、適切なリスクマネジメント体制を確保してまいります。また、環境の変化により生じた新たな機会をチャンスととらえ、様々な取組みを行ってまいります。

(1)グループを横断するリスクと機会

①IP軸戦略推進に伴うもの

主なリスクと機会 対応
リスク
  • 市場や顧客の急速な変化、技術の進化
  • 特定のIPへの依存
  • IP創出や取得に関する投資の増加
  • 競争の激化
  • IPを活用した商品・サービスの品質面等における不具合
  • 知的財産の侵害等IP価値の毀損
  • IP軸戦略を推進する人材の確保と育成
機会
  • 地域や事業間の連携促進
  • 市場や顧客の急速な変化、技術の進化による新たな市場や事業、ビジネスモデル、IPの創出の可能性拡大
  • 「パーパス」の浸透によるブランド価値の向上、中期計画における重点戦略の推進に加えて、下記の取り組みを実施
  • フィジカルとデジタル両面の事業カテゴリー展開による連携等の相乗効果の発揮
  • 新たな事業やビジネスモデル、プラットフォームへの取組み
  • ユニット間連携等ALL BANDAI NAMCOでの総合力発揮に向けた組織再編の実施
  • 外部パートナーとの協業強化
  • バランスのとれたIP・事業・地域ポートフォリオの確立
  • 品質管理・検査体制の強化、従業員教育・サプライチェーンマネジメントの強化
  • クオリティ重視の開発体制強化
  • 戦略的な投資の実施
  • 模倣品排除を含む知的財産の適切な活用と保護
  • 多様な人材が活躍できる制度や仕組みの導入を含む尊重しあえる職場環境の実現
  • 健全な財務体質基盤の強化

②人材活用に関するもの

主なリスクと機会 対応
リスク
  • IP軸戦略をグローバルで推進する人材の確保、育成
  • 外部のクリエイター人材や外部パートナー企業との関係構築
  • グループにおける「パーパス」の浸透に加え、下記の取り組みを実施
  • 多様な人材が活躍できる制度や仕組みの導入を含む尊重しあえる職場環境の実現
  • 社員を対象としたエンゲージメントサーベイの実施
  • グループに閉じないオープンな協業の推進
  • 事業活動におけるサプライチェーンマネジメントの強化(COC監査継続実施等)
  • 人権デューディリジェンスの実施

③気候変動等の自然環境の変化

主なリスクと機会 対応
リスク
  • 炭素規制やプラスチック利用規制による原材料や生産・調達コストの上昇(主にトイホビー事業)
  • 新技術の導入や研究開発、設備投資に伴うコストの増加(主にデジタル事業、トイホビー事業)
  • 自然災害による財物損壊やサプライチェーンの中断、資源の枯渇
機会
  • 省エネルギー化による電力コストの削減
  • 効率的な生産・輸送プロセスの導入によるコストの削減(主にトイホビー事業)
  • 顧客の嗜好変化による新しい市場の創出
  • 地球環境との共生に向けた取組みの推進
  • 省エネルギー施策、効率化施策の推進
  • 再生エネルギー等低炭素エネルギーの利用
  • リサイクルの推進
  • 新技術・新素材の導入、設備投資

④情報セキュリティに関するもの

主なリスクと機会 対応
リスク
  • サイバー攻撃等による情報流出や事業システムへの影響
  • 技術の深化、法令等の変化
  • 社内の情報リテラシー低下
  • 監視の強化や脆弱性対策の強化
  • 情報セキュリティ部門の拡充
  • 情報セキュリティ教育の強化
  • 最新情報の収集、外部専門家との関係強化

⑤その他の外部要因に伴うもの

主なリスクと機会 対応
リスク
  • 天災、事故等の災害
  • 政情変化
  • 法令、規制等の改正
  • 為替の変動
  • 感染症等の拡大
  • BCP、BCMに基づく活動推進、継続的な見直し
  • リスクマネジメント体制の強化
  • 各事業や地域の最新情報の収集と共有体制強化
  • 各国・地域の政府・自治体の要請や状況に基づいた取り組みの実施
  • 衛生管理の徹底
  • 支援金の拠出や事業を通じた施策等社会的支援の実施

(2)各事業におけるリスク

①全事業を横断するもの

主なリスクと機会 対応
機会
  • ネットワーク環境の普及・拡大
  • 技術の進化
  • デジタル化推進による顧客とのタッチポイント拡大
  • 新技術や新たなプラットフォームへの対応
  • IP認知度向上の取り組みやグローバル展開の強化
  • オンラインイベントやEC等デジタル対応の強化

②エンターテインメントユニット デジタル事業

主なリスクと機会 対応
リスク
  • プラットフォームの多様化
  • 技術の進化
  • 開発期間の長期化と投資額の上昇
機会
  • 技術進化による新たな市場や事業、ビジネスモデル等の可能性拡大
  • 新技術、新プラットフォームへの積極的な対応
  • 新たな技術等の研究や情報収集の強化
  • クオリティ重視の開発体制強化、効率化
  • ビジネスモデルに基づいた開発コントロール強化
  • タイトルリリース後の継続的なファンコミュニケーション

③エンターテインメントユニット トイホビー事業

主なリスクと機会 対応
リスク
  • 国内における少子化の進行
  • 原油価格の上昇
  • 脱プラスチックに向けた規制強化
  • 物流コスト上昇
  • 生産地域の集中と品質管理
  • ターゲット層や展開地域の拡大
  • 開発生産におけるバリューチェーン改革、効率化
  • 再資源化への取組み、新素材の研究開発等脱プラスチックへの対応
  • 生産拠点の分散、品質管理体制強化(品質基準の継続的な見直し、COC監査実施等)

④IPプロデュースユニット

主なリスクと機会 対応
リスク
  • IP創出における競争激化
  • 作品制作における人材の育成、確保
機会
  • 作品視聴環境の拡大
  • スタジオ機能とプロデュース機能の集約
  • 映像・音楽・ライブイベントのノウハウ集約
  • 制作環境の向上、人材の獲得、育成の強化 化
  • 制作技術向上のための投資
  • 社内外のあらゆるパートナーとの連携強化

⑤アミューズメントユニット

主なリスクと機会 対応
リスク
  • リアルな場を活用したエンターテインメントの多様化
  • 燃料価格、人件費の上昇
  • IPや商品・サービス等グループリソースとの連携強化
  • 効率化の推進、事業の安定基盤強化
  • 多様な働き方への対応