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キーパーソンインタビュー

宮河 恭夫

アニメーション制作からIPプロデュース集団へ
「ゼロ」から「イチ」を生み出す企業を目指す

株式会社サンライズ 代表取締役社長宮河 恭夫
1956年6月8日生
1981年4月
㈱バンダイ入社
1996年1月
㈱バンダイ・デジタル・エンタテインメント 取締役
2000年4月
㈱サンライズ 入社
2001年4月
ネットワーク開発部長
2004年4月
取締役
2008年4月
常務取締役
2011年4月
専務取締役
2013年4月
取締役副社長
2014年4月
代表取締役社長(現職)
2015年4月
㈱バンダイナムコピクチャーズ 代表取締役社長(現職)
2018年4月
㈱バンダイナムコホールディングス執行役員(現職)

新中期計画で新設されたIPクリエイションユニットの主幹会社である㈱サンライズ。中期ビジョンに「アニメ制作会社からIPプロデュース集団への進化」を掲げ、「IP創出力UP」「IP発信力UP」「既存ブランド力UP」の3つの重点戦略のもと、中期計画を推進しています。今回は同社の宮河恭夫社長に、中期計画達成に向けた想いや、仕事に対するポリシーなどを聞きました。

「ゼロからイチを生み出す企業」を新たな企業理念としました。

宮河:バンダイナムコグループは、IPという種を商品・サービスなどさまざまな形に育て、その価値を高めて大きな花を咲かせる「IP軸戦略」が最大の強みです。その中で、サンライズは戦略の核となるオリジナルIPを長年にわたり生み出し続け、「機動戦士ガンダム」など多くの作品をヒットさせてきました。オリジナルをゼロから創出するには、固定概念を打ち破る柔軟な発想や知恵、想像力、そして何よりも強い信念が必要です。これまで培ってきた経験を生かし、我々が「ゼロ」から「イチ」を生み出す。そしてグループの力でその「イチ」を10にも100にもしていきたいという想いで企業理念を掲げました

サンライズの強みは?

宮河:オリジナル作品にこだわり続けてきた歴史こそが強みだと思います。そのDNAが脈々と受け継がれ、新たなオリジナル作品を創る原動力となっています。会社は生き物ですから、埋め込まれたDNAはとても重要です。オリジナル作品の歴史を紡いできたサンライズには、自分もオリジナル作品を創りたいと思っているスタッフが自然に集まってきます。そのスタッフの思いが新たな作品制作へとつながっているのだと思います。このDNAをこれからも伝えていくことが非常に大切だと考えています。

中期計画の重点戦略である「IP創出力UP」について聞かせてください。

宮河:IPクリエイションユニットは新規IPの創出育成を最大のミッションとしていますが、そのためにも、アニメ制作会社からIPプロデュース集団に進化しなければなりません。自分たちはアニメ制作会社だと思い込んだら、アニメしか創れなくなります。確かにサンライズはアニメ専門の会社として成長してきましたが、今のグループにとって重要なのはアニメにこだわらず、グループ全体で活用できるIP、すなわち知的財産を生み出すことです。これからは表現方法をアニメに限定することなく、小説でも、実写でも、イラストでも、エンターテインメントのあらゆるジャンルでIPを創出していきたいと考えています。
IP創出力を高めるためには、何よりも挑戦することが必要です。野球でも、打席に立つから勝負ができるわけです。ホームランもあれば三振もありますが、失敗を恐れていてはIPは生まれません。また、打席に立つということは、何かを発表することです。満を持して発表するものもあれば、小さく産んで大きく育てることもあるでしょう。最初はまったく芽が出なくても、何年かたって大きく育つこともあります。バンダイナムコグループを代表するIPとなった「機動戦士ガンダム」も、放送当初は視聴率が低迷し続けていました。しかし、あきらめずにIP展開をし続けたことで、放送の2年後には、ガンダムのプラモデルを求めるお客さまで店頭に大行列ができるほどの大ブームとなったのです。最初から大ヒットするIPは稀です。作り手側は、自分が良いと信じるものは誰に反対されようと意志を貫き、あきらめることなく育て上げる覚悟も必要だと思います。

「既存IPのブランド力UP」や「IP発信力UP」については?

宮河:4月に、10年前に放送した「機動戦士ガンダムOO」のイベントを開催したのですが、ファンの高い熱気を感じました。既存IPを掘り起こし、今の時代に合わせてアレンジすることは非常に重要ですし、継続は力となります。エンターテインメントが社会に定着し、ターゲットになり得る層も大きく拡大しています。サンライズには多くの作品がありますので、これをチャンスととらえ、過去に制作した作品も積極的に打ち出したいと思います。
「IP発信力UP」では、今年ワールドワイドで公開されたアメリカのSF映画「レディ・プレイヤー1」や「パシフィック・リム:アップライジング」にガンダムが登場しました。今までは、サンライズ作品以外にガンダムが出ることはありませんでしたが、今後はこのような展開も含めて、国内外で自社IPの存在感を高める施策を進めていくつもりです。

社員一人ひとりが夢を実現させれば
社員の数だけ新しいIPが生まれる

オリジナルIP創出に3年間で60億円の追加投資を計画しています。

宮河:エンターテインメントにおいては、今まで誰も見たことがないような新しいものの提供が重要だと考えています。そのためのチャレンジに積極的に投資していきたいと考えています。社員にとってもIP創出に潤沢な予算があることは心強いですし、自由な発想によって多彩なチャレンジ企画が出てくることを期待しています。

バンダイナムコグループ内の連携は?

宮河:すでに複数のプロジェクトが動き出しています。例えばバンダイナムコエンターテインメントとは、ゲームを出口としたオリジナル映像の制作に取り組んでいますし、バンダイとは新しい子ども向けのIPを開発していこうと進めています。人材交流の成果も出てきており、グループ社員同士で「何か新しいことをやろう」という結びつきがどんどん生まれ、ますますグループが融合してきたと感じています。

今後の注目作品、IPは?

宮河:上期は、「アイカツ!」「銀魂」などの定番IPをいかに新しく見せるかということに注力します。下期は、ガンダムシリーズの最新作「機動戦士ガンダムNT」が、11月に劇場公開されます。また、「ラブライブ!サンシャイン!!」の劇場版の公開が決まり、これからさまざまな展開を図っていきます。そのほか、「TIGER & BUNNY」の新アニメシリーズプロジェクトの一つである“バディシリーズ”作品として、オリジナルアニメ企画「DOUBLE DECKER!ダグ&キリル」を展開しますので、ぜひご期待ください

アイカツフレンズ!
「アイカツフレンズ!」
©BNP/BANDAI, DENTSU, TV TOKYO

機動戦士ガンダムNT!
「機動戦士ガンダムNT」
©創通・サンライズ

DOUBLE DECKER!ダグ&キリル
「DOUBLE DECKER!ダグ&キリル」
©SUNRISE/DD PARTNERS

海外展開については?

宮河:2020年を控え、世界から日本、そして日本のIPに注目が集まっているのを感じます。サンライズでは、各国のテレビ局に向けた番組販売や配信、イベント開催など、さまざまな形で海外のファン層開拓に向けたアプローチを行っていますが、今後はさらに展開を強化したいと考えています。今回ハリウッド映画にガンダムを登場させたように、ワールドワイドに日本の文化を発信するには映画は良いツールであり、出口として重要視していきたいと考えています。また、大規模な市場である中国にも注目していきたいと思います。

仕事をする上でのポリシーは?

宮河:現場主義に徹しています。自社・他社を問わず、ユーザーが集まるイベントには必ず足を運ぶようにしています。現場の熱を直接感じることで、作品に対する感性が養われると思いますので、好奇心を忘れることなく現場から学び続けていきたいですね。また、社員には、入社当時に抱いていた夢を必ず実現させてほしいと伝えています。社員はそれぞれ何かを成し遂げたくてグループに入社したと思います。みんながその気持ちを忘れず夢を実現させていけば、社員の数だけ新しいIPが生まれます。社員一人ひとりがファンと共に進化し、新しいIPを創出し続ける企業でありたいと思いますので、どうぞご期待ください。

※このインタビューは、2018年6月発行のニュースレター「バンダイナムコニュース」の一部を再編集したものです。