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株式会社バンダイナムコホールディングス

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キーパーソンインタビュー

浅沼 誠

グループ内外との連携を加速しながら
世界に向けて高いクオリティの作品を発信

株式会社サンライズ 代表取締役社長浅沼 誠
1963年4月23日生
1986年4月
㈱ネットワーク(88年バンダイと合併)入社
2000年10月
バンダイネットワークス㈱転籍入社
2004年4月
同社モバイル事業部部長
2005年6月
同社㈱取締役事業本部副本部長兼コンテンツ事業部長
2009年4月
㈱バンダイナムコゲームス(現㈱バンダイナムコエンターテインメ ント)執行役員NE事業本部副本部長
2010年10月
㈱バンダイナムコオンライン代表取締役社長
2014年4月
㈱バンダイナムコエンターテインメント取締役第1事業本部長
2015年4月
同社常務取締役グローバル事業推進室・メディア室担当
2018年4月
㈱サンライズ専務取締役
2019年3月
SUNRISE SHANGHAI CO., LTD.董事長(現職)
2019年4月
㈱サンライズ代表取締役社長(現職)
2019年6月
㈱バンダイナムコホールディングス取締役(非常勤)IPクリエイションユニット担当(現職)

※2020年2月末現在の略歴を記載

アニメーションの企画・製作、著作権・版権の管理・運用などを行うIPクリエイションユニットは、中期ビジョン「アニメ制作会社からIPプロデュース集団への進化」のもと、既存IPの強みを一層強固なものにするとともに、アニメーションという枠にとらわれないIP創出力の強化や、IPの魅力を世界に広げるIP発信力の強化にも積極的にチャレンジしています。今回は、同ユニットの主幹会社である㈱サンライズの浅沼誠社長に、事業環境や、注目タイトル、今後のビジョンなどを聞きました。

社長就任から約1年です。

浅沼:2018年4月からサンライズ専務取締役として、2019年4月からは代表取締役社長として、IPクリエイションユニットの経営に携わっています。サンライズ以前は、主にゲームなどネットワークエンターテインメントの分野で、IPを活用した商品・サービスに携わっていました。ネットワークエンターテインメントにおいてもゲーム発のIPといった新規IPの創出は重要な施策の一つでしたが、IPクリエイションユニットは、IPを創出することはもちろん、それに加えて、他ユニットと深く連携することでIP価値の最大化を目指すことがミッションとなっています。
 また、制作スタジオが中核となり構成されている点で、グループ内でもユニークなユニットと言えます。そうしたユニットの主幹会社において社長という任を預かることに重大な責務を感じるとともに、映像制作というクリエイティブな事業に取り組むことに大きなやりがいも感じています。

IPクリエイション事業を取り巻く環境は?

浅沼:もとより日本のアニメーションは、質と量において世界的に高い評価を得ていましたが、インターネットなどで気軽に観られる動画配信サービスが世界的に普及したことで、全世界で日本のアニメーションが視聴されるようになりました。これまで以上に、世界的なヒットを生み出せる環境が整ったといえます。
 また、多くの国で手描きよりもCGアニメーションが主流になっているなか、日本のアニメは手描きならではの良さを強みとして進化してきました。サンライズはCG専門の制作部門を設置していますので、手描きの良さにどのようにCG技術を掛け合わせたらより魅力的なアニメ制作につなげることができるか、自ら検証し、強化することができます。環境の変化をチャンスと捉え、私たちの強みを生かした作品を世界に向けて発信していきたいと思います。

良質な作品を生み出すための秘訣は?

浅沼:高いクオリティを維持しつつ、スピードをもって、数多く作品づくりを行うことが重要です。ユーザーは、完成した映像をスクリーンで観て初めて、その作品の良さを判断することができます。企画を頭の中で考えているだけでは、ユーザーに評価していただけませんので、いち早く映像化することが必要です。とはいえ、作品制作はゼロからイチを生み出すことですので、大きな苦しみも伴います。それを乗り越えるためには、自分の作品企画を信じて突き進む強さが大切です。そのような意識を醸成するために、社内の経験豊富なプロデューサーや他ユニットの役員など、ユニット内外の有識者による講演会を定期的に開催し、社員が刺激を得られるような取り組みも行っています。
 また、ユニットを越えてグループ内連携が進んでいることも、作品づくりの追い風になっています。私自身がバンダイナムコエンターテインメントの取締役を経てサンライズの社長に就任したように、グループ内の人材交流が進んでいることや、「IP軸戦略」のもと“新しいIPを生み出していこう”という意識がグループ全体に浸透してきたことが、大きく影響していると思います。グループとして新しいIPを創出し、生み出したIPを総合力でヒットさせ、得られた利益を次のIP創出に投資する、というバンダイナムコグループならではの循環を加速していきたいと思います。

事業基盤の整備やグループ外連携も進めています。

浅沼:㈱ジーベックの映像制作事業を譲受し、㈱SUNRISE BEYONDを設立したほか、CG制作会社の㈱サブリメイションや日本最大級のオリジナルマンガ専門の投稿プラットフォームの運営を行うエコーズ㈱に資本参加しました。アニメーション制作は工程が多く、一社でその工程を全て抱えることは難しいため、こうした施策を通して作品づくりのための基盤を強化することは重要だと考えています。
 また、アニメーターの人材不足が顕在化するなか、「サンライズ作画塾」を設立し、奨励金も支給して塾生の生活をサポートしながら、アニメーターの育成にも取り組んでいます。若い人材が技術を習得する機会をつくることで、アニメーション業界の活性化につなげていきたいと考えています


「サンライズ作画塾」の様子

「ガンダム」「ラブライブ!」などの人気IPのさらなる強化と新規IPの創出を推進

2019年にガンダム40周年を迎えました。

浅沼:「機動戦士ガンダム40周年プロジェクト」として、映像5作品を中心にさまざまな施策を展開しました。海外展開も強化し、7月には「機動戦士ガンダムNT」をガンダムシリーズで初めて中国大陸にて劇場公開したほか、公式 YouTube チャンネル「ガンダムチャンネル」を開設し、世界に向けてガンダム作品の発信を行っています。
 2020年はガンダムシリーズ最新作「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」を7月23日より劇場公開するほか、実物大の動くガンダムを10月に横浜で一般公開する予定です。また、10月から開催されるドバイ万博では、ガンダムが日本館PRアンバサダーに任命されました。こうした大胆ともいえる施策を打ち出すことによって、ガンダムを世界的なIPへと飛躍させていきたいと思います。


2020年10月に実物大の動くガンダムを横浜にて公開予定
©創通・サンライズ

ラブライブ!は9周年でした。

浅沼:“9人”の少女たちの活動をテーマにした作品ということで、当初から“9周年”を一つの節目として考えていました。シリーズに登場するスクールアイドルたちが集結する「ラブライブ!フェス」をはじめとしたライブイベントのほか、グッズ、映像、音楽など、多角的に周年施策を展開しました。このたび、新シリーズのTVアニメーションを制作することも決定しましたので、今後もますます盛り上げていきたいと思います。


「ラブライブ!」新シリーズの制作が決定

今後注目の作品は?

浅沼:グループのオリジナルIPである「アイカツ!」シリーズの最新作「アイカツオンパレード!」が、昨年10月より放送を開始し人気となっています。4月からは、月刊「アフタヌーン」で連載中の北海道のラジオ局を舞台にした漫画を原作としたTVアニメ「波よ聞いてくれ」もスタートします。さらに、ハリウッドと共同制作する実写版ガンダムや、Netflixでの配信を予定している「カウボーイビバップ」の米国実写TVシリーズなど、世界に向けた作品が控えているほか、新規IPの映像企画にも積極的に取り組んでいますので、ぜひご期待ください。

仕事におけるポリシーは?

浅沼:会社は現場の社員で動いています。もちろん経営陣が指示を出して動かしている部分もありますが、最終的には社員が自らモチベーションとロイヤリティを持って仕事に取り組むことが重要です。言われてやるのと、自らやるのでは、仕事のクオリティに違いが出ます。経営陣の役目は、社員が良いパフォーマンスを発揮するための環境を整えることであり、それが会社を良くする一番の手段だと考えています。社員一人ひとりが自主独立の精神で仕事と向き合うことができるよう、IPクリエイションユニット流のマネジメントスタイルを築いていきたいです。

※このインタビューは、2020年3月発行のニュースレター「バンダイナムコニュース」の一部を再編集したものです。(2020年2月末現在の情報を記載しています。)