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Close Up新任役員からのメッセージ

資本市場における“Fans”獲得のためにー
グループ全体で成長に向けた
投資や取り組みを推進
株式会社バンダイナムコホールディングス
取締役 CFO
 辻 隆志 Takashi Tsuji
バンダイナムコグループでは、中期計画(2025年4月~2028年3月)において、成長投資戦略に加え新たな株主還元方針を掲げました。 入社後ファイナンス領域を中心に歩み、今期から(株)バンダイナムコホールディングス 取締役およびチーフ ファイナンシャルオフィサー(CFO)に就任した辻 隆志より、財務戦略について株主・投資家の皆さまにご紹介いたします。
    <プロフィール>
  • 1968年7月22日生
  • 1990年4月(株)バンダイ入社
  • 2007年4月当社入社
  • 2015年4月当社コーポレートコミュニケーション室ゼネラルマネージャー
  • 2018年4月当社執行役員経営企画本部副本部長兼コーポレートコミュニケーション室、経営企画部ゼネラルマネージャー
  • 2025年4月当社執行役員CFO
    経営企画本部長(現任)
    (株)バンダイナムコビジネスアーク取締役(現任)
    Bandai Namco Holdings Europe S.A.S.代表取締役社長(現任)
    Bandai Namco Holdings UK Ltd.代表取締役社長(現任)
  • 2025年6月当社取締役 CFO(現任)
現場から、経営の中枢へ

辻取締役は経理財務部や経営企画部門を中心に携わられてきましたね。

バンダイでは1年目から経理・会計業務全般に関わってきました。現在も稼働している連結会計ソフトの基盤を構築し、業務変革を主導するなど、全社的・俯瞰的な視点や、物事を多角的に捉えて本質を見極める視座を身につけてきたと思います。
バンダイナムコホールディングスでは経営企画本部のコーポレートコミュニケーション室でグループの最上位概念となるパーパス「Fun for All into the Future」制定に携わったほか、経営企画本部長として今中期計画の策定も推進しました。

今期よりCFOに就任されました。

今中期計画の策定にあたり、財務面では売上高・営業利益のみならず、資本政策や成長投資、株主還元といった要素にバランス良く目配りしながら計画を着実に推進する方針に舵を切りました。そこを統括していくのが私の第一の務めです。

資本戦略の透明性向上で、
中長期的な企業価値向上を加速

資本政策を開示された背景と狙いを教えてください。

これまでの中期計画や決算開示資料はP/Lの要素を用いた内容が多く、今後の計画や事業のトレンドを説明するものとしては適していましたが、一方で短期的な業績指標に注目が集まりやすい面もありました。さらなる企業価値向上のため、成長投資の考え方や、中長期的なキャピタルアロケーションを開示することで、どういう方向に向かっているのか、どのように企業価値や株主価値を高めていくのかをより分かりやすく説明したいと考えました。
前述したパーパスや中長期ビジョンの「Connect with Fans」が明らかにしているように、私たちは“Fans”があってこそ価値を生み出すことができます。今中期計画ではこの“Fans”の意味内容を顧客だけでなくビジネスパートナー、株主、社員、社会など全方位のステークホルダーへとより明確に広げました。ステークホルダーの方々とともにFunを作り、展開していくことで、グループの成長と企業価値につなげる。同時に、社会を明るくするという社会的価値と、エンターテインメント経済圏を広げるという経済的価値も高めていく。バンダイナムコグループだけが良くなるのではなく、ステークホルダーとともに社会や経済全体への貢献を目指すことでより多くの投資家の皆さまからご支援をいただけるよう、透明性のある経営の実現に努めていきます。

株主還元方針の変更を図られています。

そうですね。株主の皆さまにとっても預けた資金がどのような成長機会に活用され、適正なリターンに結びついていくのかは最も重要でご関心のあるところだと思います。そのため、キャピタルアロケーションの開示を行いました。
株主還元においては、DOE3.60%を下限とし、総還元性向50%以上を基本方針とすることとしました。2025年3月期の年間配当金は1株当たり71円(ベース配当22円、業績連動配当49円)、DOEは6.2%となりました。また、前期の第4四半期に実施した約349億円の自己株式取得と合わせると、総還元性向は62.7%となりました。今後も基本方針に基づき、適切な株主還元を実施していきます。

中期計画発表後、資本市場からの反応はいかがでしたか。

長期的な投資戦略や目指すべき方向性が明確になったことについて、評価をいただいていると感じています。長期の成長戦略と株主還元方針のリバランスも含めて、株式市場から好意的に受け止められていると実感していますので、その期待に応えていきたいと思います。

拡大する日本のIP需要を捉え、
グローバル市場での収益拡大へ

欧州の地域統括会社のマネジメントも担当されています

今期はCFOに加えBandai Namco Holdings Europe S.A.SのPresident&CEO、Bandai Namco Holdings UK Ltd.のManaging Directorという2つのトップマネジメントポジションを務めることになりました。実際に欧州の統括責任者として現地に赴き、売場の視察やイベントへの参加を重ねる中で、既に日本のIPがマーケットに浸透していること、非常に高いポテンシャルを有していることを肌で感じることができました。今後はさらなる展開強化を図りたいと思っています。

グローバル市場における競争優位性をどのように捉えていますか。

バンダイナムコの強みは、多様なタッチポイントを保有し幅広い商品・サービスのビジネス展開をスピーディーに進められることです。これは各事業ユニットが自律性を持ち、スタートアップのような機動的な意思決定ができる体制があってこそ実現できるものだと考えています。
海外では、まだ一部の事業やIPの展開が中心となっている状況ですが、日本のIPは人気が高く、キャラクター力やストーリー性、漫画文化に根ざした表現力など、グローバルに通用する魅力を持っています。私たちは日本のコンテンツ産業の中心でビジネスをさせていただいている一社ですので、日本のIPをグローバルに広げていく責任があると思っています。優先順位をつけて海外展開を進め、日本と近い仕組みを構築できれば、大きな競争優位性を築けるはずです。

最後に、ステークホルダーの皆さまへメッセージをお願いします。

今中期計画がスタートし、順調な進捗を見せています。私たちはファンの皆さま、ビジネスパートナー、そして株主や投資家の皆さまとともに夢・遊び・感動を創出し、グローバルに笑顔を届ける存在でありたいと思います。この想いをグループ全体でしっかりと共有し、より多くの皆さまと共創していきたいと考えておりますので、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。

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