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上半期業績として過去最高の売上高、
IP別売上高では
ガンダムシリーズが過去最高を記録
株式会社バンダイナムコホールディングス
代表取締役社長 CEO 
浅古 有寿 Yuji Asako
(株)バンダイナムコホールディングスは、2026年3月期(2025年度)上半期の業績と今後の見通しについて発表しました。今回は、業績や各事業の動向などについてバンダイナムコホールディングス 代表取締役社長の浅古有寿に聞きました。

2025年度上半期の業績を発表しました。

当中間連結会計期間の業績は、売上高6,438億円、営業利益1,054億円、経常利益1,101億円、親会社株主に帰属する中間純利益789億円となりました。売上高は過去最高、営業利益は前年同期には若干及ばないものの、多彩なIPと幅広い事業カテゴリーによるポートフォリオ効果で、グループ全体では順調な形で折り返すことができました。
事業面では、トイホビー事業の収益が伸長したほか、アミューズメント事業が安定的に推移しました。
デジタル事業と映像音楽事業についてはヒットタイトルや作品はあったものの前年同期とのプロダクトミックスの違いが業績に影響しました。IP展開においては、ガンダムシリーズの売上高がグループ全体で1,272億円となり大きく伸長しました。最新映像作品「機動戦士Gundam GQuuuuuuXジークアクス、大阪・関西万博における「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」出展等による話題の盛り上がりと商品・サービス展開が非常に良い形で相乗効果を発揮しました。この結果、上半期の業績は、年初計画および8月5日に公表した修正予想数値をいずれも上回る結果となりました。

2025年度通期業績予想を見直しましたね。

通期業績予想数値につきましては、上半期の業績に加え、足元の市場環境や各事業の動向、下半期以降の商品・サービスのマーケティング計画などを踏まえ、5月8日に公表しました予想数値を修正いたしました。年初計画の売上高1兆2,000億円、営業利益1,450億円に対して、新たな通期業績予想は売上高1兆2,500億円、営業利益1,650億円に見直しました。
なお、中間配当金につきましては、株主還元に関する基本方針にのっとり、1株あたり23円とさせていただきます。また、期末配当金につきましては、さまざまな状況を踏まえ、今後改めて検討させていただく予定です。

2026年3月期 第2四半期 事業報告 拡大する

各事業の市場動向と
下半期のトピックス

事業別の動向や事業トピックについて教えてください。
トイホビー事業は?

トイホビー事業は各カテゴリーの好調を継続し、8期連続過去最高業績を目指します。関税率上昇による下半期への影響については、セグメント利益で約10億円を見込んでいます。現状は、関税率の上昇分を自社で吸収するもの、価格を変更するもの、商品構成を見直すものなど、商品特性や価格帯に応じて対応しています。中長期的には、生産地域のさらなる分散や生産の一部を北米で行うことも検討していきたいと思います。
費用面では、好調カテゴリーの継続と、来年度以降の中期的な成長を見据え、国内外のイベントや、ブランド訴求のためのマーケティング施策などを強化します。
事業トピックとしては、トイホビー事業でも上半期にガンダムの売上を大きく伸ばしました。何か1つの商品やカテゴリーだけが突出して貢献したのではなく、ガンプラに加え、カードやフィギュア、カプセルトイ、菓子など幅広く展開し、映像と連携したグループ全体の総合力がエンジンとなっています。
7月に発売したガンダムのトレーディングカードゲームは、好調な立ち上がりとなりました。長く市場に定着することを目的に、新弾の投入、イベントや情報発信など、きめ細かい施策を継続してまいります。市場の大きな北米においては、現地の専任チームとの密接な連携により、機動的な対応をはかることが可能となっています。
ガンプラは、7月から新工場の稼働を順次開始し、2026年夏のフル稼働に向け準備を進めています。また、ガンプラ45周年を締めくくる商品として、2026年1月には大型商品も発売予定です。海外では中国などアジアを中心にファンとのタッチポイントとなる直営店の出店も積極的に進めています。
たまごっちは、7月に発売した「Tamagotchi Paradise」がワールドワイドで人気となり、各地域でのライセンスビジネスを通じて、現地企業とのコラボレーションも多数展開しています。IPとしての認知も高まっており、引き続きワールドワイドでしっかり育成してまいります。
また、食玩からスタートした菓子ビジネスが、ウエハースなどのコレクション菓子をはじめ、チョコやグミなど、領域を拡大し、私たちならではの、おいしくて楽しいお菓子として、菓子専業メーカーに並ぶ存在感に育ってきています。アジアなど海外での需要も高まっており、身近な売り場でのファンとのタッチポイントとして、さらなる拡大を目指します。


発売から好調を維持している
「ガンダムカードゲーム」
©SOTSU・SUNRISE

ワールドワイドで人気となっている
「Tamagotchi Paradise」
©BANDAI


2026年1月発売予定の
「PG UNLEASHED 1/60 νガンダム」
©SOTSU・SUNRISE

️領域を拡大している菓子ビジネス
「魚ギョッと釣りグミ」
「キャラパキ 発掘恐竜チョコ」
©BANDAI

デジタル事業はいかがでしょうか?

デジタル事業の下半期は、主力アプリタイトルの人気の安定により、ネットワークコンテンツの売上高は前年同期を上回る見込みです。引き続きネットワークコンテンツがデジタル事業の収益基盤となります。家庭用ゲームにおいては、タイトル編成の違いから、新作・リピートタイトルともに、販売本数は減少する見込みです。また、ワールドワイドタイトルを含む複数の新作タイトルの投入により、下半期においては、開発費の償却やプロモーションなどの費用が先行することを見込んでいます。
デジタル事業のトピックとしては、ネットワークコンテンツでは、「SDガンダム ジージェネレーション エターナル」が足元でも好調が継続しており、今後も映像との連動をはかり、長く遊んでいただけるタイトルに育成します。9月にローンチした「ドラゴンボール ゲキシン スクアドラ」は、ゲーム性に高い評価をいただいています。チームバトルという特性上、まずは集客数を増やすフェーズですので、中期を見据え、しっかりと立ち上げてまいります。
家庭用ゲームでは、10月に発売したワールドワイドタイトル「リトルナイトメア3」が好調なスタートを切りました。年末商戦に向けさまざまなマーケティング施策を実行し、積み上げてまいります。足元では、たまごっちやデジモンのタイトルが、トイホビーと連携した展開により、スマッシュヒットとなっています。ワールドワイドタイトルでは、今後、「ELDEN RING NIGHTREIGNエルデンリングナイトレイン」のダウンロードコンテンツや、「CODE VEINⅡコードヴェインツー」の発売を予定しています。長く売り伸ばしをはかり、IPとしても育成してまいります。
また、デジタル事業では、前中期計画で着手した開発体制の見直しが順調に進捗しています。最適なタイトルポートフォリオ構築を進めるとともに、クオリティの高いタイトル提供に向け、開発力の強化に取り組んでまいります。


️9月10日にサービスを開始した
「ドラゴンボール ゲキシン スクアドラ」
©バード・スタジオ/集英社・東映アニメーション
©Bandai Namco Entertainment Inc.

️10月10日に発売した
「リトルナイトメア3」
Little Nightmares™III &
©Bandai Namco Entertainment Europe S.A.S.


「CODE VEIN Ⅱ」
2026年1月29日発売予定
©CODE VEIN™II &
©Bandai Namco Entertainment Inc.

映像音楽事業はいかがでしょうか?

映像音楽事業は、上半期に続きグループの商品・サービスが好調なガンダムなどのライセンス収入などを見込んでいます。また、上半期に比べてイベント関連の売上増を見込んでいるほか、第4四半期には、「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」のTVアニメ版の映像パッケージ発売を予定しています。
ガンダム作品では、「新機動戦記ガンダムウィング」の30周年を記念した過去の劇場作品の4K上映が好評で再上映も決定しました。北米における1stガンダムとして人気が高い作品ですので、今後の展開を検討したいと思います。10月末からは、「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」の10周年を記念した特別劇場作品の公開が始まりました。2026年1月には、いよいよ「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女」が公開されます。今後もさまざまなファン層に向け、継続的に映像作品をお届けし、ファンとのつながりをより強固なものとしていきます。また、海外に拡大する人気を受け、国内外のガンダムファン向けの情報発信サイトを「GUNDAM Official Website」として統合しました。最大90カ国に向け、多言語で、同時に情報発信や無料映像配信を行います。さらに、2026年4月にユニット内の組織再編を行い、ガンダム関連の機能を集約し、IPとしてワールドワイドでのさらなる展開拡大をはかります。
映像音楽事業では、今後も、IP創出力を強化し、多彩なIPを提供してまいります。


30周年を記念した
「新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 特別篇」
の4K上映が好評
©SOTSU・SUNRISE

10周年記念特別劇場作品
「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ ウルズハント」
の公開
©SOTSU・SUNRISE


「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女」
2026年1月30日公開
©SOTSU・SUNRISE

アミューズメント事業については?

アミューズメント事業では、施設事業において、国内既存店売上高は下半期105.0%、通期で105.5%を見込んでいます。業務用ゲームにおいては、大型製品の販売は上半期が中心となり、下半期は翌期以降に向けた開発などの種まきを行います。費用面では、大型施設の出店関連の費用などを見込んでいます。
事業トピックでは、施設事業においては、今後も「バンダイナムコCross Store」や、商品・サービスのオフィシャルショップ、IPリテールショップの出店を強化します。12月には新宿にワンピースの公式旗艦店となる大型施設「ONE PIECE BASE SHOP」をオープンします。この施設は、アミューズメント事業が企画開発と運営を行い、トイホビーが商品開発を行います。これまでも取り組んできたグループ連携の強みを活用し、ここにしかないさまざまな体験、ここでしか買えない限定品などを楽しんでいただける施設となる予定ですので、ご期待ください。
業務用ゲーム機では、ワンピースのメダルゲーム機、湾岸ミッドナイトの新機種などを開発中です。バンダイナムコの強みを活かせる機器を今後も提供してまいります。


「ONE PIECE BASE SHOP」
©尾田栄一郎/集英社・フジテレビ
・東映アニメーション
©Bandai Namco Experience Inc.

ONE PIECE初のメダルゲーム機
「幻の秘石と運命の歯車」開発中
©尾田栄一郎/集英社・フジテレビ
・東映アニメーション
©Bandai Namco Experience Inc.


新筐体となる
「湾岸ミッドナイト スピードイグニッション」
開発中
©Michiharu Kusunoki/Kodansha Ltd. All rights reserved. GAME
©Bandai Namco Experience Inc.
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大阪・関西万博で得られた
ファンとのつながりは大きな財産

上半期では大阪・関西万博への出展も大きなトピックでしたが、いかがでしたか?

はい、ご存じの通り、10月13日に大阪・関西万博が閉幕しました。バンダイナムコグループが出展した「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」は、累計入場者数が100万人を超え、調査会社による、来場者に向けた調査では、施設の世界観や、スタッフのホスピタリティが評価され、満足度の高いパビリオンの1位(※1)に選んでいただきました。またSNSでも非常にたくさんの方々から情報発信をしていただき、注目度の高さを感じました。
業績理由や事業トピックスの振り返りでも触れましたが、万博での盛り上がりが、ガンダムの商品・サービスの販売に間違いなく結びついていると感じています。それ以上に、国内外のあらゆる世代の方にご覧いただき、体験いただいたことで、ガンダムファンとより深くつながり、新しいファンとも広くつながるきっかけをつくれたことを非常にうれしく思っています。万博を通じてつながった皆さんの笑顔を直接見ることができたことは、大きな励みと財産になりました。


大阪・関西万博の最終日

(※1)■データソース:ビデオリサーチ「ACR/ex」
■調査時期:2025年7月
■調査地区:関東(東京50km圏)・関西
■調査対象者:対象地区在住の男女12~69歳のうち大阪・関西万博来場経験者(700サンプル)

最後に、読者にメッセージをお願いします。

バンダイナムコグループは、2025年9月29日に誕生から20周年を迎えました。バンダイとナムコの経営統合直後には、環境やファンの嗜好の変化に対応しきれず、苦しんだ時期もありました。2010年にIP軸戦略を掲げ、IPやファンと愚直に向き合い続けてきた結果が、今のバンダイナムコの基盤となっています。
世界のエンターテインメント領域において我々ができることはまだまだあります。さらに基盤を強化していくことに加え、今まで以上にさまざまなチャレンジを行い、あらゆるパートナーとともに、日本のエンターテインメントの可能性を切り開いていきたいと思います。株主の皆さまにおかれましては、引き続きご支援いただけますようよろしくお願いいたします。

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