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45周年を迎え、進化を続けるガンダムシリーズ

チーフガンダムオフィサー(CGO)からのメッセージ 榊原 博 株式会社BANDAI SPIRITS  代表取締役社長 チーフガンダムオフィサー(CGO)

「ガンダムシリーズ」売上高(グループ全体)2024年3月期 1,457億円

45周年を迎え、進化を続けるガンダムシリーズ

 2024年4月より、4代目となるチーフガンダムオフィサーに就任しました。ガンダムシリーズが45周年を迎えた年での就任となりましたが、次の節目に向けてガンダムのグローバルでの認知度向上をはかり、長期的な視点でガンダムのIP価値最大化に向けて取り組んでまいります。
 ガンダムシリーズのグループ全体の売上高は、2020年3月期の781億円から、2024年3月期に1,457億円と、5年間で187%の成長を果たしました。この5年間は、国内市場が引き続き好調だったことに加え、ワールドワイドにおける映像作品の提供やイベント出展などを推進し、グローバルでの認知度向上に伴って、ガンプラを中心とした商品・サービスの展開が大きく拡大しました。2021年のガンダムカンファレンスで掲げた2026年3月期売上高1,500億円という目標が視野に入ってきた状況です。
 2024年3月期においては、映像作品としてTVシリーズ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の放送や劇場版「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」の公開などにより、多くの新規ファンを獲得することができました。特に最近では、国内外で映像配信プラットフォームが普及し、多言語対応も進んだことで、日本アニメの配信拡大に伴いガンダムの認知度も向上しています。さらに、ガンダムの世界観を活かした施策として象徴的とも言えるのが実物大立像の展開です。2009年に初めて東京都の潮風公園に設置した実物大ガンダム立像は、52日間でおよそ415万人を動員し、大変な反響を呼びました。その後、実物大立像は国内のみならず、中国上海にも設置するなど、作品の世界観や魅力を多くの方に伝える取り組みとして大きな貢献を果たしています。映像作品を起点に、こうした革新的な施策を推進していることも、ガンダムIPの認知度向上につながっていると思います。

グローバル事業の成長をさらに加速

榊原 博 ガンダムのグローバル展開においては、これまで同様にグループの中期計画と合わせて北米および中国市場が重点地域です。アジア市場でのガンダムへの認知度は以前から比較的高い状況でしたが、中国における事業規模は順調に拡大しており、さらなる発展が期待できます。北米においてはさらに認知度を拡大していきます。市場性の高さや消費動向からも大きな可能性を感じています。今後は、順調に拡大を続けるガンプラと、映像展開や店舗展開、SNSを活用したプロモーションなどの各種施策により、ファンとのつながりを深めていきます。今秋Netflixで世界配信される映像作品「機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム」のほか、実写版ガンダムの制作もハリウッドで進行中であり、北米での認知度向上の機会として期待しています。
 今後も、日本市場の成長を続けていく一方で、持続的成長に向けて、グローバル展開の拡大は欠かせない要素です。ALL BANDAI NAMCOで連携し、総合力を発揮して取り組んでいきます。また、今後はより分かりやすい、多言語化されたファンコミュニティの形成も求められるでしょう。エリアごとに求められる映像作品、商品・サービスを、現地の文化や嗜好性も考慮した綿密なマーケティングにより把握し、戦略的に展開することでグローバルでのファン層拡大を強力に進めていきます。

ファンとともに創るガンダムの未来

 ガンダムシリーズ45周年を迎え、日本全国で展開するイベント「GUNDAM NEXT FUTURE -ROAD TO 2025-」を開催しています。これは、日本国際博覧会(大阪・関西万博)を開催する2025年に向けて、次なるガンダムの未来をファンとともに創造していくという想いも込めています。その一環として、ファンの皆様から募ったガンダムへのメッセージの一部を、大阪・関西万博の「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」関連の施策にも活用します。
 「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」は、グループの「パーパス“Fun for All into the Future”」のもと、ガンダムを通して世界中の人々とつながり、ともに「未来」を考えるきっかけの場となることを目指しています。また、パビリオンには「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」で展示した、動く実物大ガンダムの資材を再活用した実物大ガンダム像を展示します。高さ約17mの静止像で、片膝を立てて腕を大きく上げるポーズは、宇宙、そして未来に向けて手を差し伸べているイメージとなっています。ファンの皆様とともに創る「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」にぜひご期待ください。

GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION

ガンダムIPをさらに進化させるために

 ガンダムシリーズには45年紡いできた歴史があり、それぞれのファンにそれぞれ思い入れのあるガンダム作品があります。また、長い歴史と様々な作品群があることで、国や地域、ファンの年齢などによって初めて触れるガンダム作品が異なり、ファンごとに異なる“ファーストガンダム”があります。こうした背景を前提に、多様な世界観の作品が連綿と制作されてきたことで、IPとしての深さや奥行きが生まれ、今もなお多くのファンの皆様を魅了し続けているのだと思います。
 ガンダムシリーズの今後に向けては、ワールドワイドにおけるブランディングの強化と、これまで以上に幅広いカテゴリーでの事業展開、そして外部パートナーとの連携を含め様々な取り組みを推進していきます。来るべき50周年に向け、ガンダムの魅力をグローバルに波及し、さらに進化させていくことが私の使命だと考えています。

榊原 博
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