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「異次元フェス」

音楽ライブイベント「異次元フェス」が提示した新たな価値 梅木 馨 株式会社バンダイナムコエンターテインメント AE事業部 プラットフォームプロダクション イベントプロデュース1課 上級スペシャリスト 槙本 裕紀 株式会社バンダイナムコミュージックライブ 音楽事業本部 ラブライブ!プロデュース部 ゼネラルマネージャー 有吉 浩樹 株式会社バンダイナムコミュージックライブ ライブ事業本部 ライブ制作部 エグゼクティブエキスパート 若林 悠紀 株式会社バンダイナムコフィルムワークス IP事業本部 第2事業部 デピュティゼネラルマネージャー

それぞれの役割

槙本:私は、主に「ラブライブ!」シリーズの社内音楽チームの統括と、ライブチームをはじめとした関係各所との連携の窓口を担当しました。また、今回組成した製作委員会の代表も務めました。

有吉:私は、ライブイベントの制作を担当しました。スタッフの手配やキャストとスタッフ間の様々な調整を槙本とともに連携しながら実行しました。

梅木:私は、「アイドルマスター」シリーズの出演に関する事柄全般、製作委員会における議事進行など、当イベントの演出家と製作委員会とのコミュニケーション促進を担当しました。

若林:私は、「ラブライブ!」シリーズの統括者として、「ラブライブ!」シリーズに関わる業務を担当しました。製作委員会の中では主に企画制作に携わりました。

コラボレーションライブ「異次元フェス アイドルマスター★♥ラブライブ!歌合戦」の誕生

若林:今まで開催したことのない、ファンの興味を惹くイベントを開催したいという想いから生まれた「異次元フェス」。その第1回開催にあたり、すでに認知されているようなフェスの形ではなく、バンダイナムコらしいフェスの形を追求しました。その結果、IPこそが私たちの軸であり、IP同士のコラボレーションを主体にした音楽ライブイベントの企画として動き出しました。

梅木:もともと「アイドルマスター」と「ラブライブ!」の担当者との間では、これまでのイベントなどでの協力等により定期的なコミュニケーションがあり、以前から、いつか一緒にライブをしたいという想いもありました。

若林:2つのIPをコラボレーションさせることに対して、周囲からはファン同士のコンフリクトを心配する声もありました。ただ、私たち製作委員会メンバーとしては、様々なデータを参照することで、2つのIP間でファンの重なりが一定数あると感じていました。むしろ、潜在的には親和性の高いIPであり、どのようにお互いのファンに喜んでいただこうか?ということを考えていました。

梅木:お互いのファンに対する信頼やお互いのIPに対してのリスペクトをベースに企画に取り組みました。今まで開催したことのない異次元のフェスだからこそ、お越しいただくファンの興味を惹き、驚きを与える企画の実現に向け、「普段できないことをやりましょう」と意見が一致しました。

「異次元フェス」の効果とファンの反響

槙本:音楽面とキャストのマネジメントに携わる中、「異次元フェス」という大きな挑戦に向けて、100名を超えるキャストへの負担が1つの不安要素でした。しかし、これまでにない大きな取り組みだからこそ、キャストも前向きな姿勢で取り組んでくれましたし、そのおかげもあってファンの皆様の想像を超えるイベントになったのではないかと思います。キャストからも楽しかったという声を多くいただいてホッとしました。

有吉:これまで様々なライブイベントを制作してきた立場として、2つのIPファン同士がライバル視してしまうのではないかという不安はありました。しかし、実際にはそれぞれのファンのパワーが相乗効果となって大いに盛り上がり、それぞれの単独ライブよりも圧倒的に大きな声援を感じました。私にとっても、これほどの盛り上がりは初めての体験でした。

槙本:東京ドームという大規模な会場での「異次元フェス」という挑戦に、立場や業務範囲を超えて関係者総動員で取り組み、大きな達成感を味わうことができました。まさにALL BANDAI NAMCOで挑んだことで、現場のメンバー間で必然的に密度の濃いコミュニケーションが生まれたことも良かった点です。

有吉:各分野の統括者も含めて、2つの IPにおけるマネジメント層がフル稼働で現場に向き合ったことで、様々なアイデアを形にしていくパワーとスピードが圧倒的でした。また、それぞれのIPを非常に尊敬し合っているからこそ、スムーズに決まっていくことも実感しました。

若林:「異次元フェス」の今後については、いかにファン層を広げられるかが課題です。普段コラボレーションしないようなIPや全くジャンルの異なるIP、この組み合わせは無理だろうと思われているIPなど、様々なコラボレーションの可能性について期待感は醸成できたと思います。ファン同士の交流が盛んになり、ファン層が広がることでコラボレーションの可能性の幅も広がると思っています。

梅木:ライブイベントのプロデュースから映像配信、グッズの企画販売など、グループにあるノウハウやリソースをフルで活用し、とても良いシナジー効果にもつながりました。ファンの喜ぶ顔や感謝の声を聞けたこと、事業面でも大きな成功になったことは非常に良かったです。

今後の挑戦に向けて

若林 悠紀

若林:「ラブライブ!」シリーズは、2025年に15周年を迎えます。既存の作品はもとより、引き続き新しい展開を叶えていけるよう、ファンの皆様とともにチーム一丸となって全力を尽くします。

梅木:「アイドルマスター」シリーズは2025年に20年目を迎えます。これまで通り、ファンや関係者とともに創るイベント・コンテンツとして、ファンとより深くつながることを意識しつつ、ファンも自分たちも楽しいことに挑戦していきたいと思います。長く愛されるIPとなるよう、若い世代の担当者にも様々な経験を積んでもらいたいと思います。これからも、ファンの皆様が驚く、想像の斜め上を行く挑戦をしていきます。

梅木 馨
有吉 浩樹

有吉:「異次元フェス」では、これまでにないステージセットをつくることも目標に、湾曲した全面LEDスクリーンなどを採用し、制作しました。今後のライブイベントにおいても、新しい技術、アイデアを取り入れることで、ファンに心から楽しんでもらえるよう、常に新たな演出ができるステージ制作の実現に挑戦していきます。

槙本:「異次元フェス」への取り組みは、そこに関わった様々なメンバー、スタッフにとって貴重な経験となりました。こうした経験やノウハウを次の活動に活かし、世代を問わず新たな作品を生み出してほしいと願っています。私自身も新しいIPに関わってみたい想いはまだまだありますので、挑戦する心を忘れずに頑張りたいと思います。

槙本 裕紀
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