現地における認知度向上とデジタル・トイホビーの融合を進め、新たな商品・サービスを提供
2024年3月期における中国展開について、ネットワークコンテンツを展開しているデジタル事業は、前年対比で好調に推移しました。幅広く商品展開しているトイホビー事業は、市場の変化の影響を受けながらも前年より伸長することができました。
今後のデジタル事業の展開としては、2023年に過去最高の売上高となった「NARUTO」のネットワークコンテンツのバージョンアップを実施しながら、息の長いコンテンツとして育成していきます。また、今後の期待タイトルとして、「ONE PIECE」のネットワークコンテンツの投入を予定しています。トイホビー事業では、玩具、プラモデル、フィギュア、カプセルトイなどが好調ですが、中でも、2023年から展開を強化した菓子事業が好調で、引き続き拡大に向け注力していきます。このほか、地産地消の観点で中国市場独自のオリジナル商品も展開強化しており、現地IPと取り組みながら拡大を目指します。
グループ内で唯一、デジタルとトイホビーを1つの会社に統合しているBandai Namco Entertainment(Shanghai)Co., Ltd.では、「機動戦士ガンダム」シリーズのネットワークコンテンツとトイホビーを連携させるなど具体的な商品・サービスの融合展開が広がりつつあります。また、「機動戦士ガンダム」シリーズの認知拡大への重要な取り組みとして、共同イベント開催などの機会が年々増加しています。「ONE PIECE」については、中国市場における認知度も高く、デジタルとトイホビーの融合効果を発揮すべく展開を強化していく予定です。
中国市場における課題としては、バンダイナムコに対する認知度向上も挙げられます。ブランドの認知度を高めることは事業の成長にも直結すると思っており、SNSなどオンラインでのブランディング活動をはじめ、様々な取り組みを通じて向上に努めています。また、地域統括会社として、課題への共通認識を持ち、中国内地におけるガバナンス体制をより強固にしていきます。事業成長の基盤として、IT基盤の整備による効率性の向上や、情報セキュリティ管理の強化も同時に取り組んでいます。また、コンプライアンス面でもルールづくりから、第三者視点の確認を含めてプロセスを構築しました。全従業員が緊張感を持って遵守しており、全体の統制も利いていると認識しています。
中国市場は変化が速く、スピードを持った展開が非常に大切です。消費者のライフスタイルが変化する中、デジタルとトイホビーの両事業がそれぞれの強みを掛け合わせながら、スピード感を持って新たな商品・サービスの提供に努めていきます。