バンダイナムコグループでは新たな中期計画(2025-2027年度)がスタートしました。
本年度より㈱バンダイナムコホールディングスの代表取締役社長と取締役副社長にそれぞれ就任した浅古有寿と桃井信彦より、バンダイナムコが目指す方向性について株主・投資家の皆さまにご紹介いたします。
株式会社バンダイナムコホールディングス
代表取締役 CEO
浅古 有寿
Yuji Asako
1966年1月18日生
1986年4月 ㈱バンダイ入社
2005年9月 当社入社、経営管理部 広報・IR/経理・財務管掌 ゼネラルマネージャー
2010年6月 当社取締役経営企画担当兼経営企画本部長
2022年4月 当社取締役CFO、CISO、CSO、経営企画本部・グループ管理本部担当
2025年4月 当社代表取締役社長CEO(現任)
株式会社バンダイナムコホールディングス
取締役副社長
桃井 信彦
Nobuhiko Momoi
1968年12月25日生
2001年10月 ㈱バンダイ入社
2018年4月 ㈱バンダイ取締役欧米事業政策担当・ライフ事業部カンパニー長 BANDAI ESPAÑA S.A.代表取締役会長
2021年4月 ㈱バンダイ常務取締役メディア制作担当、欧米事業担当 Bandai Namco Entertainment Europe S.A.S(現Bandai Namco Holdings Europe S.A.S.)取締役
2022年6月 当社取締役グループ事業戦略本部長
2024年4月 当社取締役副社長グループ戦略担当(CW360)(現任)
まずは自己紹介を兼ねて、お二人の子供時代を教えてください
浅古好奇心旺盛な性格で、これは今でも同じかもしれません。いろいろなことに興味を持ってとりあえずやってみる。スポーツは一通り……結果としてあまり長続きはしませんでしたが、野球にバスケ、柔道、剣道などいろいろやりました(笑)。
桃井私はちょっと変わった子供でした。大相撲が好きだったので、放課後にみんなと野球をやっていても、「そろそろ土俵入りが始まるから」って帰っちゃう(笑)。一方で、常に「他人と同じことだけをしていてはだめ」と言う母による個性派教育を受けて育ちました。
社長・副社長の打診を受けた際はどう思われましたか?
桃井浅古さんとはすでに3年間、仕事をご一緒させていただき、お互いにどのような考えを持っていて、何をどんな順番で大事にしているか、どういう倫理観を持っているかはわかり合えていましたから、社長が浅古さんとうかがったときは、思わずガッツポーズしたことを覚えています(笑)。
浅古面倒くさいことは私に任せればいいと思ったとか?(笑)
桃井いえいえ。厳しい仕事も、浅古さんとならやり切れると感じたからです。浅古さんは「規範のある方」。規範のある人でなければ、エンターテインメントの会社のリーダーはできないと思っています。
浅古桃井さんに最初に会ったときは「なんていかついやつだろう」と思いましたが(笑)、桃井さんの仕事に対するアプローチは愚直で丁寧。私としても、桃井さんとバディを組んでやれるのは嬉しいことでした。個性豊かなグループをまとめるには、誰か一人のリーダーシップというよりは組織やチームで臨むべきだと考えれば、桃井さんは頼もしいパートナーになってくれるはずなので、「よっしゃ!やるか」という気持ちになりました。とは言え、これまでの私は事業の基盤をしっかりと築くための地道な仕事が長かったので、突然スポットライトを浴びることになり、少し驚きました(笑)。
新中期計画について
新中期計画がスタートしました
特に注力していくことを教えてください

浅古フロントの各事業が安心して自由闊達なビジネスを展開できる環境作りをすることが私の一番大事なミッションだと思っています。そのためには「ヒト・モノ・カネ・情報」といった経営資源の過不足もきちんと整えなければなりませんが、新中期計画では特に“ヒト” にスポットを当てていて、事業の広がりに応じた会社の土台をしっかり支えられるような人材をもっと育てていきたいですね。
新中期計画では中長期ビジョンとして「Connect with Fans」を掲げていますが、これは商品を買ってくださるファンだけではなく、株主の皆さまも社員も取引先も含め、すべてのステークホルダーの皆さまや社会と、つながりを深めていこうという姿勢を表しています。
桃井10年後、20年後に成長し回収できる芽を、業績が安定している時に植えておかないといけないと思っています。“CW360”※を掲げ、全方向のステークホルダーとのつながりを強化し、成長のための土台にしたいです。その中で、私のテーマは皆で稼いだお金をどうやって投資し、次の成長につなげるか。グループにとって、ここは意外と苦手にしていた部分だと思うんです。
浅古そうですね。稼ぐのは得意だけど、中長期を見据えた成長投資に向けたアプローチはちょっと苦手だったかもしれません。
桃井この3年間はそこをきちんとやっていきます。そうした中、従来の事業とは違う新たな領域を攻めるには、バンダイナムコグループにないスキルを持つパートナーとアライアンスしながら伸ばすことも必要でしょう。全方位のパートナーとつながる“CW360” を確実に推進していくことが私の役割と認識し、最後まで攻め抜きたいと思います。
※CW360=Connect with 360
新中期計画のキーテーマには「データの利活用」も盛り込まれています
桃井デジタル事業で先行していたデータ分析のノウハウを他の事業にどう活かせるかということで始まった取り組みです。事業における企画やマーケティングなどの判断材料として、「感覚値や温度感」と「データ分析」は、私たちにとってはどちらも大事で、どうミックスしていい判断につなげられるかが重要だと考えています。いまや必須の要素と言えるデータの利活用ですが、若い社員を中心にもっとデータドリブンしたいという意見も現場から出ていますので、両面をにらみながら上手くサポートしたいと思っています。
新中期計画最終年度の目標数値についてお聞かせください
浅古バンダイナムコが経営統合した20年前に掲げた目標の一つが連結営業利益1,000億円でした。新中期計画最終年度にはその倍となる2,000億円という高い目標を設定していますが、このグループのポテンシャルの高さからすれば必ずや実現できるターゲットだと考えています。また、単年度の売上や利益に一喜一憂することなく、収益基盤を厚くしていくことに重点を置き、中期計画期間中の平均営業利益を約2割程引き上げていきたいと考えています。
バンダイナムコのIPビジネス
日本のIPビジネスやコンテンツ産業が国内外から大きな期待を受けていますが、どのように受け止めていますか?
桃井もちろん、一番の理由はアニメや漫画の原作に力があることです。それを積極的に商品・サービスやイベントを通じて海外ファンに紹介し、海外のファンの熱量をしっかりと受け止めてきました。グローバル市場における日本IPの可能性はまだまだあります。地球は広く、そこに暮らす人はすべてお客さまだとわれわれは考えていて、中東やアフリカをターゲットとする企画案も出始めています。私たちのIPビジネスには「伸びしろしか残っていない」という感覚を私自身は持っています。

浅古IPホルダーには、そんなバンダイナムコをいい意味で利用していただきたいと思っています。私たちは魅力ある原作の数々を大切な文化と捉え、熱い想いをもって輸出する。パートナー企業さんから「バンダイナムコと組みたい、組んでよかった」と思っていただけるよう、私たちも魅力ある企業であり続けたいですね。
では最後に、今後の抱負やニュースレターをご覧の株主や投資家の皆さまにメッセージを
桃井バンダイナムコの「パーパス“Fun for All into the Future”」は、私たちが本当に普段から意識していることを言語化したものです。海外でも、社員同士で意味を咀嚼したうえで、自国の言語にどう訳すべきかを社員が考えて、パーパスをスペイン語やフランス語など5言語に翻訳しています。このように、私たちの目指している姿や考えを、世界中のファンに浸透させていきたいです。
浅古経営統合20周年を迎える今期、「Connect with Fans」も第2章に入り、本格的なアクションフェーズが始まります。全方向のファンに向けて世界を笑顔でつないでいきたい。私たちのエンターテインメントビジネスのさらなる拡張を目指し、新しいステージに向けてチャレンジしていくバンダイナムコグループに、ぜひご期待ください。
