独自の育成と外部連携推進で制作体制の強化・底上げをはかる
アニメーション産業の拡大におけるアニメーターの人材不足に加え、高齢化が進む中、現場の人材の世代交代も視野に、(株)バンダイナムコフィルムワークスでは早い段階から人材育成の取り組みを強化してきました。現在では、図にある通り4つの「塾」を運営し、それぞれの領域で育成に取り組みつつ、実践的な人材育成の観点で挑戦できる機会を創出し、様々な経験ができる取り組みを推進しています。
こうした活動を通じて、当社内および外部で監督やメインアニメーターなど、制作現場の第一線で活躍する卒業生を数多く輩出しています。例えばシナリオ塾を卒業した生徒は文芸制作としてプロデューサーとともにプリプロダクション開発をします。数タイトルを掛け持ちするなど多忙を極めるプロデューサー、シナリオ開発が不得手なプロデューサー、初経験のプロデューサーなどのケースもある中、専門的に学んだ人材が文芸制作の役割を担うことで、作品の品質向上、工数管理とともに厚みのある制作人員構成へとつながっています。
同時に、制作体制強化として、外部スタジオとの連携強化も推進しています。2024年4月には、主力IPのさらなる拡大と制作ライン拡充による継続的なIP創出の促進を目的に、アニメスタジオの(株)エイトビットがグループの一員になりました。(株)エイトビットは、2008年の創立時から当社グループの作品を制作し、2020年6月の業務提携開始を経て、緊密な関係性を構築してきました。今後は(株)エイトビットの特徴を融合させ、双方のスキルを共有していくことで、新たな価値が創出できると考えています。
(株)バンダイナムコフィルムワークスとしては、人材育成と外部スタジオとの連携強化による2軸で制作体制の強化・底上げをはかる考えですが、私たちの特徴でもあるオリジナリティとクオリティは変わらず追求し、こだわり続けていきます。新規IP創出がユニットとしての使命であり、オリジナル作品をつくるには、優秀な人材を生み出し続けることが必要不可欠です。今後も育成システムについては、業界に影響を与えられるような、私たちならではの育成活動を推進し、世代交代も実現しながら、持続的な制作体制の構築を目指していきます。さらに私としては、海外の制作スタジオの設立と現地人材の育成に携わることに挑戦したいと考えています。海外における経験を国内に還元し、刺激を与えながらさらなる進化に結びつけていきます。
現場で活躍する塾生たち
卒業した塾:サンライズ作画塾
卒業後に担当した作品:「機動戦士ガンダムU.C.ENGAGE」「SAND LAND」「ラブライブ!スーパースター!!」
「ラブライブ!サンシャイン!!」他
卒業した塾:サンライズ作画塾
卒業後に担当した作品:「劇場版GのレコンギスタⅣ」「半妖の夜叉姫」「機動戦士ガンダム 水星の魔女」
「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」他
卒業した塾:サンライズ美術塾
卒業後に担当した作品:「王様ランキング(他社)」「西原商会CM」「SAND LAND」
「機動戦士ガンダム U.C ENGAGE」「機動戦士ガンダム 水星の魔女」他