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「ガンダムシリーズ」50周年へ向けて ガンダム映像作品のグローバル展開

左:池内 謙一郎 株式会社バンダイナムコフィルムワークス ガンダム事業本部 企画製作部 兼 プロモーション部 ゼネラルマネージャー   右:髙井 愛 株式会社バンダイナムコフィルムワークス 執行役員 マネジメント事業本部 本部長

ワールドワイドで認知度が大きく高まった「ガンダムシリーズ」

髙井22022年のTVアニメーション「機動戦士ガンダム 水星の魔女」、2024年の劇場作品「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」、2025年に劇場とTVアニメーションで展開した「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」の流れを経て、ガンダムのワールドワイドの認知度は大きく高まっています。近年の日本発IPの世界的な人気と、インターネット配信による拡散効果もあり、視聴者数や興行収入といった数値面での成果も出ています。特に認知度の急速な高まりを感じるのが北米地域です。これまで継続してきたプロモーション活動が実を結びつつあると感じています。

池内アジア地域については、すでにガンダムの認知は定着、浸透していると感じており、ファンは映像をきっかけに商品・サービスに対する強い興味を持っています。
 欧州地域については、国ごとに言語が異なるだけでなく、文化的な背景からアニメの楽しみ方や嗜好も多様です。そのため、一元的に作品を展開するだけでなく、国ごとの背景を理解したローカライズを慎重に考える必要があります。現地の文化や生活の中に自然と溶け込む形を目指して展開を進めています。

現地と密接に連携し、ファンと直接つながる

髙井グローバル展開においては、現地の文化や市場特性を深く理解している、海外に拠点を置くグループ会社との密なコミュニケーションが必須です。高い頻度で意見交換を重ねながら、時代に合った効果的なプロモーション活動を進めています。
 近年では、SNSの普及により、ファンとの距離が以前より格段に近くなっています。作品への反応や期待の声がリアルタイムで届くようになったことで、ファンの熱量をより直接的に感じることができます。これまで感覚的にしか捉えられなかった部分も、今では数値や視聴、行動履歴などが明確化しつつあり、今後の戦略立案にも活用できる重要なデータとなっています。

池内私たちからファンへ向けたニュースや最新情報の発信としては、公式ガンダム情報ポータルサイト「GUNDAM.INFO」に一元化して集約しており、ガンダムに関する様々な情報にアクセスできる状態を整えています。現在、10言語で情報発信していますが、今後もより多くの言語対応を検討しています。さらに、それぞれの地域特性を理解し、単なる翻訳にとどまらない形で、現地のファンにしっかりと届くアプローチや発信方法を模索・強化していきたいと考えています。

GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION

ライセンス事業の拡大に向けて

髙井今後、ライセンス事業の拡大に向けては、全方位で攻める姿勢が重要だと考えています。特定のエリアに限定するのではなく、未開拓の地域にも積極的に挑戦していくことが、ガンダムのグローバルブランドとしての成長には不可欠です。
 例えば、「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」の劇場公開を通じて、未開拓であった地域も含め様々な地域から予想以上の反応を得ることができました。こうした声や熱量は、次の展開を考えるうえで大きな手がかりとなります。今後は、劇場公開や配信などの実績を活かしつつ、地域ごとの市場環境や文化的背景を丁寧に捉えたうえで、最適なアプローチを模索していきます。
 一方で、世界には200以上の国と地域があるといわれており、国や地域によって状況や課題、法規制も全く異なります。1つのエリアや1つのやり方に縛られず、柔軟かつ迅速に展開をはかる考えです。

池内 「ガンダムシリーズ」の魅力を広く伝えるにあたって、作品に触れるきっかけをいかに多く提供できるかが鍵になります。すべての人が最初から映像作品に興味を持つわけではなく、個々の興味・関心に応じた入口を用意することが重要です。ガンプラやフィギュアなどの商品をきっかけにガンダムが好きになり、映像作品に辿り着くファンも多く、商品・サービス展開とプロモーションの連動でより効果的な結果が得られています。継続的にタッチポイントの拡大を進めることが、今後の認知度拡大の鍵になると考えています。

これからも長く続く「ガンダムシリーズ」へ

髙井ガンダムは、2024年に45周年を迎え、現在は2029年の50周年に向けて様々な施策を企画しています。50周年は重要な節目ではありますが、1つの通過点でもあり、さらにその先に向けて歩みを続けていくべきだと思います。これまで多くのガンダム作品が生み出され、多くのファンに支えられてきました。グローバル展開を拡大する中、世界中の幅広い世代や様々な文化圏の人々にも、ガンダムの魅力をお届けし、楽しんでいただきたいと考えています。

池内ガンダムという作品は、46年前の第1作「機動戦士ガンダム」以降、今日に至るまで継続的に作品が制作され、シリーズが拡大し続けているタイトルです。50周年というタイミングは、ファンからの期待も大きいと感じています。長年支えてくれているファンも、最近興味を持っていただいたファンも、それぞれが楽しめる施策を考えていく必要があります。そうした期待に応えつつ、決して懐古主義に陥らないように、今の時代、次の時代にふさわしい新しい価値を創出していきたいと思います。

私たちのこれからの挑戦

髙井「あなたにとって特別なアニメは何ですか?」そんな問いに対して、当社が手掛ける作品を挙げてもらえる存在になりたいと考えています。作品が時代や世代を超えて愛され続けるよう、常に新しい魅力を探しながら、世界中の人々に届けていく取り組みを続けていきます。

池内私が常に大切にしているのは、一つ一つの作品に対して真摯な姿勢を持ち、丁寧に扱うことです。そして、その作品が持つ世界観やメッセージをしっかりと伝え、いかにより多くの人の心に届けられるかを考え抜くことです。その想いを胸に、企画とプロモーションの視点から作品を世界に広げていきます。

私にとってのパーパス

高井ただ楽しいものを届けるだけでなく、「人の心を育てる」という深い意味が込められていると捉えています。エンターテインメントは、目に見える成果や物質的な価値では測りにくいものですが、日々の生活に寄り添い、誰かの気持ちを少し前向きにしたり、日常を彩ったりする力を持っています。だからこそ、私たちは作品づくりを通じて、人々の心がより豊かになり、未来に向かって前進できるような力を届けていきたいです。

池内パーパスでは、コンテンツを受け取ったその人にとって楽しいと思える瞬間や、体験を届けることを大切にしているのだと捉えています。ガンダムをはじめとした作品の一つひとつが、誰かにとっての「楽しい」につながり、さらには何か新しいきっかけや挑戦、学びへとつながるような、観た人・触れた人の人生に少しでも前向きな変化や影響をもたらすことができればという想いです。

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