ファンの皆さまとともに取り組む “ガンプラ”を通じた資源循環
誕生から45周年を迎えた『機動戦士ガンダム』シリーズのプラモデル“ガンプラ”。そこから生まれた「ガンプラリサイクルプロジェクト」は、ファンの皆さまの協力のもとプラモデルの枠の部分である「ランナー」を回収し、生まれ変わらせるプロジェクトです。
捨てられていたランナーが、新たな資源に!
プラスチックごみ問題への挑戦
ガンプラを組み立てたあとに残る「ランナー」と呼ばれる枠の部分は、これまで家庭ごみとして廃棄されてきました。しかし、プラスチック製ランナーを可燃ごみとして廃棄・焼却するとCO2が排出されてしまいます。プラスチック廃棄物は今、世界的な社会課題であり、私たちもプラスチックを活用した商品を扱う企業として、この課題に向き合う責任があると感じていました。また、近年は環境への関心が高まり、環境に配慮した製品・サービスを求めるお客様が増えています。こうした背景から「ガンプラリサイクルプロジェクト」がスタートしました。
回収したランナーを活かす3つの方法
新たなリサイクル技術にもチャレンジ!
プロジェクトでは、アミューズメント施設や公式ガンプラ総合施設など、全国約200箇所にボックスを設置してランナーを集めています。商品を各施設に届けるトラックが、帰りの空になった荷台にランナーを積んで工場へ運搬するという仕組みです。これによって新たな運搬車両を使わずに済むため、ここでもCO2排出を抑えることができます。回収したランナーは、ガンプラの生産工場であるバンダイホビーセンター(静岡県)に集約します。ここでランナーは、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクルの3つの方法でリサイクルされています。
一番多いリサイクル方法は、ランナーを破砕・融解・固形化して粒状ペレットにする「マテリアルリサイクル」です。粒状ペレットを熱で溶かして、“エコプラ”と呼ぶ新たなガンプラに仕上げます。エコプラは、回収したランナーの色によって、パーツの色が異なるのが特徴です。
また、「ケミカルリサイクル」は、ランナーを化学的に分解し、元々の形態である石油まで戻して新品のプラスチックをつくるという新技術として注目を集めています。マテリアルリサイクルと比べて、より自由度高くさまざまな製品へと生まれ変わらせることができます。2025年4月には、ケミカルリサイクル樹脂を使用したプラモデルの実用化が叶いました。
そのどちらにも使えなかったランナーも、もちろんムダにはしません。バンダイホビーセンターの廃棄物とともに燃やし、その熱を発電に使います。これが「サーマルリサイクル」という手法です。
ファンの力で回収量が増加中
皆さまとともに資源循環の実現へ
毎年ファンの皆様からご協力いただいているおかげで、2024年度は37トンのランナーを回収しました。プロジェクトを開始した2021年4月から2025年3月までに回収した総量は、約117トンに上ります。ランナーのリサイクルは、ファンの皆さまのご協力によって成り立つプロジェクトです。SNSや「ガンダムR作戦(リサイクル体験会)」などのイベントを通じて、プロジェクトを知っていただく機会を広げています。これからもファンの皆さまとともに循環型社会の実現に貢献していきます。


エコプラ組み立て会
未来をつくろう!ガンダムR作戦
「ガンダムR作戦」は、ガンプラリサイクルプロジェクトを知っていただくために開催しているイベントです。会場では「エコプラ」の体験キットを配布し、エコプラの組み立てから回収ボックスでのランナー回収までを体験いただいています。この活動を通じて、リサイクルへの関心を広げていきたいと考えています。
©創通・サンライズ
