資源・原材料の持続可能な利用
持続可能な循環型社会の実現は企業の責務です。海洋汚染や生態系へ悪影響があるプラスチックごみの発生抑制や原材料の見直し、廃棄物の削減が一層強く求められている現在。バンダイナムコグループは天然資源をはじめとした原材料の使用削減と効率的な利用に加え、廃棄物の発生抑制・削減に取り組みます。
廃棄物削減・リサイクルにおける取り組み
「ガンプラリサイクルプロジェクト」で循環型社会に貢献
2021年4月よりスタートした「ガンプラリサイクルプロジェクト」では、ガンダムシリーズのプラモデル「ガンプラ」のランナー(プラモデルの枠の部分)を回収し、最先端技術である「ケミカルリサイクル」によって新たなプラモデル製品へと生まれ変わらせることで、ファンの皆さまとともに循環型社会の形成に貢献していくことを目指しています。
集まったランナーは、BANDAI SPIRITSのプラモデル生産工場であるバンダイホビーセンターに輸送し、同工場の製造工程で排出されるプラスチックと合わせて、一部をケミカルリサイクルの実現に向けた実証実験用の材料とし、残りをマテリアルリサイクルとサーマルリサイクルにより再活用します。
2024年度における回収実績は約37トンとなりました。
詳しくはこちらもご覧ください
©創通・サンライズ
詳しくはこちらもご覧ください
「ガシャポン®」カプセルのリサイクルを推進
バンダイナムコグループでは、2006年から「ガシャポン」のカプセルの回収・リサイクルを実施しています。さらに2021年には、取り組みをさらに拡大すべく、バンダイ、バンダイナムコアミューズメントおよびバンダイロジパル3社合同での「ガシャポンカプセルリサイクル」を開始しました(2024年度回収実績:約47トン)。
回収した空カプセルは、カプセルの原料となる「ペレット」(リサイクルペレット)の状態に戻され、通常の「ペレット(バージンペレット)」との混合、成型を経て、再びカプセルとして生まれ変わります。現在リサイクルペレットは約40%の割合で配合されています。
また、「ガシャポンのデパート」「ガシャポンバンダイオフィシャルショップ」では、空カプセル回収ボックス「ガシャポイントステーション」を施設内に設置し、お客さまに楽しんでいただきながら空カプセルを回収できるよう工夫しています。
2025年には、6月5日の「環境の日」より「ガシャポン サステナブルアクション~カプセル リサイクル強化月間~」を実施しました。
6月の「環境月間」をきっかけに店頭でのカプセルリサイクルに楽しく参加いただけるキャンペーンで、全国のガシャポンバンダイオフィシャルショップにて、バンダイの「かんきょうたいし」を務める「くちぱっち」(たまごっちの人気キャラクター)のグリーティングイベントや、ナムコポイントアプリと連動しカプセル回収機に空カプセルを3個入れると「くちぱっちの紙製ファイル」(FSC®認証紙使用)がもらえるイベントを開催しました。
バンダイのオリジナルカプセルトイブランド「ガシャポン」では、さまざまなサステナブル活動を行っています。
フードロス削減に向けた取り組み
バンダイナムコグループ各社においては社会的課題である食品残渣問題、フードロスの削減に向けて取り組んでいます。
バンダイ
「釣りグミシリーズ」「キャラパキシリーズ」をはじめとする菓子商品において、各種検証実験を繰り返し行い、5年にわたる研究の結果、賞味期限の延長を実現しました。さらには生産工程における製品と原材料のロス削減など、さまざまな取り組みをおこなった結果、2024年度では2021年度比52%までフードロスを削減しています。
アートプレスト
販売する菓子の残渣を、飼料として有効活用し、年間約4トン、廃棄量の抑制を行っています。
©BANDAI
Bandai Namco Studios Singapore
The Food Bank Singaporeとのパートナーシップのもと、従業員が保存食を寄付し、支援を必要としている人々へ届けました。
これは、廃棄物の削減に役立つだけでなく、食品などの生活物資を必要としている人々を支える取り組みとして、地域コミュニティへの貢献にもつながっています。
国内外の拠点における水資源の有効活用
バンダイナムコグループでは、国内外の各拠点において、水資源の有効活用に取り組んでいます。
BANDAI SPIRITS
ガンプラ®などを企画・製造・販売するBANDAI SPIRITSのプラモデル生産拠点「バンダイホビーセンター」は、既存棟と新工場の各施設の地下に容量約2トンの雨水貯留設備を有しています。蓄えた雨水や井戸水は、浄化装置でろ過され、工場内のトイレの洗浄水や緑地の散水用として使われています。これにより、年間約2,100トンの水を有効利用しています。
バンダイナムコミュージックライブ
音楽コンテンツの企画・制作、 アーティストの発掘・育成、 ライブイベントのプロデュースなどを手掛けるバンダイナムコミュージックライブ。オフィスに雨水貯水施設を設置し、水資源の有効活用に取り組んでいます。
Bandai Namco Holdings USA
アメリカでは、カリフォルニア州アーバインにあるBandai Namco Holdings USAの本社オフィスに節水型設備などを導入しており、この取り組みにより、Irvine Ranch Water District※から節水事業所の認定を受けています。
※カリフォルニア州の水道・下水を管理する公共機関
ライブ・イベントにおいても環境に配慮
バンダイナムコエンターテインメント
『アイドルマスター』シリーズのイベント会場において、ケミカルライトやペンライトの製造販売を手掛ける株式会社ルミカの協力のもと、リサイクルしやすい新形状の「循環型」ルミカライト「大閃光極 Re.」の販売・回収を実施しています。ルミカライト「大閃光極 Re.」は使用後に各部品を分別してリサイクル・リユースできる、環境に配慮したサステナブルなケミカルライトです。イベント参加者が楽しみながら環境への取り組みに参加できるこの活動を通じて、2024年度は全国10会場で約1,223kgを回収しました。
バンダイナムコミュージックライブ
ライブ・イベントの照明にLEDを積極的に利用し省エネを図っています。
詳しくはこちらもご覧ください
Re:vale LIVE GATE “Re:flect U”
武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ
詳しくはこちらもご覧ください
廃棄部材の分別活動を強化し、リサイクルを推進
業務用ゲーム機を取り扱うバンダイナムコテクニカでは、限りある資源を未来につなぐため、2010年からリサイクルの取り組みを推進しています。メンテナンス等の作業の過程で排出された金属類、基板類、配線、HDDなどの分別を徹底し、2024年度は約5.6トンの素材や部材をリサイクルしました。
廃プラスチックの再資源化への取り組み
アートプレストでは、2017年から、工場で排出されるプラスチックの再資源化に取り組んでいます。工場の生産ラインで発生する包装パッケージの廃材などを、提携するRPF※(廃棄物固形燃料)生産工場へ委託しています。
RPFは、マテリアルリサイクルが困難な古紙および廃プラスチック類を主原料とした高カロリー固形燃料で、石炭を燃料とした場合に比べ、同じ熱量を得るのに温室効果ガス(CO2)排出量を3分の1削減する効果があります。廃プラスチック類のRPF化は、エネルギーリカバリー手法としてプラスチック新法では再資源化などに規定されており、アートプレストでは、2024年度、約105トンの廃プラスチック類をRPFとして再資源化しました。
※Refuse derived paper and plastics densified fuel(廃棄物固形燃料)。石炭やコークス、重油等の化石燃料の代替燃料として、大手製紙会社(発電・製造プロセス)、石灰会社・バイオマス発電所(助燃利用)などで高効率熱利用される
※写真協力:(株)エコ・マイニング
緩衝材の代替え素材
バンダイナムコテクニカでは、アミューズメント機器発送時の梱包材(年間8m3以上使用)に、環境にやさしい素材を10年以上継続して使用しています。具体的には、加工米を主成分とした緩衝材を使用することで、焼却時の有毒ガス発生をゼロにしています。この緩衝材は燃焼カロリーが低く、焼却炉への負担が少ないことも特徴です。さらに含有されるPP(ポリプロピレン)がマイクロプラスチックとして排出されることがないよう、P-Life※を添加するなど配慮しています。
※PE、PPなどの非分解性プラスチックを酸化型生分解性プラスチックへと変化させる添加剤
景品袋の使用量削減
バンダイナムコアミューズメントでは、顧客サービスの平準化と景品袋の使用量削減を目的に、同グループのバンダイナムコテクニカが提供する景品袋自動販売機「フクロッカー」を、全国のアミューズメント施設「ナムコ」に約300台設置しています。
袋の有償化により、必要以上の提供抑制へとつながり、2024年度は2019年度に比べて、景品袋使用料を約57.38トン(約397万枚)削減することができました。
カードパックリサイクルプロジェクト
トレーディングカードゲームのカード商材を扱うバンダイでは、トレーディングカードゲーム商品の開封済パックを回収し、新しい製品に生まれ変わらせるプロジェクトを実施しています。
2024年1月から全国のONE PIECEカードゲーム公式ショップ(2025年1月時点で15店舗)やイベント会場に「回収BOX」を設置して回収を開始し、年間で約363kgのカードパックを回収しました。回収したカードパックは、トレーディングカードゲームに欠かせないカードケースに生まれ変わり、イベントなどでお客様に配布しています。このカードケースには、開封済カードパックを含む再生プラスチック材を約45%使用しています。
詳しくはこちらもご覧ください
水循環アクティブ企業として認証取得
内閣官房水循環政策本部事務局では、企業の水循環に関する取り組みをさらに促進することを目的に、「水循環企業登録・認証制度」を開始しています。この制度では、水循環に資する取り組みに関心のある企業や、すでに取り組みを実施している企業を対象に、積極的に登録・認証を行っています。
バンダイナムコグループは、2024年度(令和6年度)に水循環ACITIVE企業として認証されました。
リサイクル綿を使った商品を積極的に採用
BANDAI SPIRITSのクレーンゲームで取り扱う景品の中で、ぬいぐるみ商品は大きな割合を占めています。そこで、その中綿にペットボトルを主な原材料とするリサイクル綿を100%使っている商品を積極的に採用しています。2024年度は、約3,800万本分のペットボトルに相当するリサイクル綿が使用され、お客様のもとに届けられました。
循環型社会に貢献するECサイト「プレミアムバンダイ」
バンダイナムコグループの限定商品をはじめ、アニメ・コミックなどに登場するキャラクターのグッズを取り扱う通販サイト「プレミアムバンダイ」を運営するBANDAI SPIRITSでは、物流を担うバンダイロジパルとともに、プレミアムバンダイ独自のマテリアリティに基づき、サステナビリティ課題に取り組んでいます。例えば、EC物流での脱炭素・資源循環の促進を目指し、梱包資材の再利用等を推進しています。また、受注生産型プラットフォームを構築することで、在庫ゼロを実現し、廃棄ロスの削減につなげています。引き続き多様な方に楽しんでいただけるECサイトを目指し、循環型社会に貢献していきます。
詳しくはこちらもご覧ください
詳しくはこちらもご覧ください




