資源・原材料の持続可能な利用
持続可能な循環型社会の実現は企業の責務です。海洋汚染や生態系へ悪影響があるプラスチックごみの発生抑制や原材料の見直し、廃棄物の削減が一層強く求められている現在。バンダイナムコグループは天然資源をはじめとした原材料の使用削減と効率的な利用に加え、廃棄物の発生抑制・削減に取り組みます。
廃棄物削減・リサイクルにおける取り組み
循環経済へのさらなる取り組みを促すパートナーシップに参加
バンダイナムコグループは、循環経済への取り組みを促進する官民一体の枠組みである「循環経済パートナーシップ(J4CE:Japan Partnership for Circular Economy)」に参加しています。
本パートナーシップは、循環経済への流れが世界的に加速するなか、企業を含む幅広い国内関係者の循環経済へのさらなる理解を醸成し、取り組みを促進することを目的として、官民連携を強化すべく発足されました。
バンダイナムコグループではJ4CEメンバーとしての活動を通じて、循環経済に関する情報共有ネットワークの形成を図るとともに、循環型社会の実現に向けた取り組みの加速を目指しています。
「ガンプラリサイクルプロジェクト」で循環型社会に貢献
2021年4月よりスタートした「ガンプラリサイクルプロジェクト」では、ガンダムシリーズのプラモデル「ガンプラ」のランナー(プラモデルの枠の部分)を回収し、最先端技術である「ケミカルリサイクル」によって新たなプラモデル製品へと生まれ変わらせることで、ファンの皆さまとともに循環型社会の形成に貢献していくことを目指しています。
集まったランナーは、BANDAI SPIRITSのプラモデル生産工場であるバンダイホビーセンターに輸送し、同工場の製造工程で排出されるプラスチックと合わせて、一部をケミカルリサイクルの実現に向けた実証実験用の材料とし、残りをマテリアルリサイクルとサーマルリサイクルにより再活用します。
2023年度における回収実績は約40トンとなりました。
「ガシャポン」カプセルのリサイクルを推進
バンダイナムコグループでは、2006年から「ガシャポン」のカプセルの回収・リサイクルを実施しています。さらに2021年には、取り組みをさらに拡大すべく、バンダイ、バンダイナムコアミューズメントおよびバンダイロジパル3社合同での「ガシャポンカプセルリサイクル」を開始しました(2023年度回収実績:約42トン)。
回収した空カプセルは、カプセルの原料となる「ペレット」(リサイクルペレット)の状態に戻され、通常の「ペレット(バージンペレット)」との混合、成型を経て、再びカプセルとして生まれ変わります。現在リサイクルペレットは約20%の割合で配合されています。
また、「ガシャポンのデパート」「ガシャポンバンダイオフィシャルショップ」では、空カプセル回収ボックス「ガシャポイントステーション」を施設内に設置し、お客さまに楽しんでいただきながら空カプセルを回収できるよう工夫しています。
フードロス削減に向けた取り組み
バンダイナムコグループ各社においては社会的課題である食品残さ問題、フードロスの削減に向けて取り組んでいます。
バンダイでは主力菓子商品である「釣りグミシリーズ」「キャラパキシリーズ」「ラムネ」「デザート」において各種検証実験を繰り返し行い、5年にわたる研究の結果、賞味期限の延長を実現しました。さらには生産工程における製品と原材料のロス削減、販売期間の延長などに取り組み、10.5トンのフードロス削減を実現しました。その他、お菓子を取り扱うハート、またアートプレストにおいても廃棄商品を飼料として活用する取り組みを開始。グループ一丸となって廃棄物の削減に取り組んでいます。
ライブ会場における古着回収とアップサイクル
2023年3月に開催した「THE IDOLM@STER SHINY COLORS 5thLIVE If I_wings.」の会場では、来場者から古着を回収する取り組みを実施。会場に来場するファンの皆様に呼びかけ、会場に設置されたボックスにて古着を回収しました。
なお回収した古着は再利用可能な新素材へ再生され、「THE IDOLM@STER SHINY COLORS 5.5th Anniversary LIVE 星が見上げた空」でパネルとして再利用しました。
ライブ・イベントにおいても環境に配慮
バンダイナムコミュージックライブでは、ライブ・イベントの照明にLEDを積極的に利用し省エネを図っています。また、会場でオリジナルのエコバッグを販売するほか、ライブ・イベント中に使用する使い捨てのペンライトを、繰り返し使える電池式のペンライトに切り替えるなど、再利用可能なライブグッズの販売に努めています。そのほか、会場内の専用回収BOXにて、使用済みのケミカルライトの回収も行っています。
廃棄部材の分別活動を強化し、リサイクルを推進
業務用ゲーム機を取り扱うバンダイナムコテクニカでは、限りある資源を未来につなぐため、2010年からリサイクルの取り組みを推進しています。メンテナンス等の作業の過程で排出された金属類、基板類、配線、HDDなどの分別を徹底し、2023年度は約6.2トンの素材や部材をリサイクルしました。
廃プラスチックの再資源化への取り組み
アートプレストでは、2017年から、工場で排出されるプラスチックの再資源化に取り組んでいます。工場の生産ラインで発生する包装パッケージの廃材などを、提携するRPF※(廃棄物固形燃料)生産工場へ委託しています。
RPFは、マテリアルリサイクルが困難な古紙および廃プラスチック類を主原料とした高カロリー固形燃料で、石炭を燃料とした場合に比べ、同じ熱量を得るのに温室効果ガス(CO2)排出量を3分の1削減する効果があります。廃プラスチック類のRPF化は、エネルギーリカバリー手法としてプラスチック新法では再資源化などに規定されており、アートプレストでは、2023年度、約103トンの廃プラスチック類をRPFとして再資源化しました。
※Refuse derived paper and plastics densified fuel(廃棄物固形燃料)。石炭やコークス、重油等の化石燃料の代替燃料として、大手製紙会社(発電・製造プロセス)、石灰会社・バイオマス発電所(助燃利用)などで高効率熱利用される
加工米を主成分とした緩衝材の使用
バンダイナムコテクニカでは、アミューズメント機器発送時の梱包材(年間8m3以上使用)に、環境にやさしい素材を10年以上継続して使用しています。具体的には、加工米を主成分とした緩衝材を使用することで、焼却時の有毒ガス発生をゼロにしています。この緩衝材は燃焼カロリーが低く、焼却炉への負担が少ないことも特徴です。さらに含有されるPP(ポリプロピレン)がマイクロプラスチックとして排出されることがないよう、P-Life※を添加するなど配慮しています。
※PE、PPなどの非分解性プラスチックを酸化型生分解性プラスチックへと変化させる添加剤
景品袋の使用量削減
バンダイナムコアミューズメントでは、顧客サービスの平準化と景品袋の使用量削減を目的に、同グループのバンダイナムコテクニカが提供する景品袋自動販売機「フクロッカー」を、全国のアミューズメント施設「namco」に約300台設置しています。
袋の有償化により、必要以上の提供抑制へとつながり、2023年度は2019年度に比べて、景品袋使用量を約67トン(約464万枚)削減することができました。
廃棄食材を飼料として有効活用
アートプレストは販売する菓子の残渣※1を、ハートは賞味期限切れなどによって廃棄する菓子※2を、飼料として有効活用することにより、廃棄量の抑制を行っています。
※1アートプレスト:年間約7トン
※2ハート:バタークッキー年間260kg、ココアクッキー年間165kg