生物多様性への配慮
バンダイナムコグループでは、自然資本への影響と依存を可視化したうえで、事業と自然が共生する社会の実現を目指しています。なかでも重視してきたのが「資源・原材料の持続可能な利用」です。プラスチックの使用抑制や再資源化の促進への取り組みがその一例で、これらが結果として自然環境への負荷軽減につながり、ひいては生物多様性の保全にも貢献するものと捉えています。また、これらに関連して、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の提言に基づき、自然関連リスクと機会の分析や情報開示も行っています。今後は自然との関係性をより広く捉え、TNFD提言に沿って、自然資本経営のさらなる高度化に取り組んでいきます。
本ページでは、TNFD提言に沿った情報開示を行うほか、特に重要な取り組みであるプラスチックの使用抑制について報告しています。
バンダイナムコグループでは、事業活動が自然環境に依存し、また事業を通して自然環境に影響を与えているという認識のもと、さまざまなステークホルダーとともに、社会と企業の持続可能な発展および自然環境の保全に取り組んでいます。こうした取り組みをさらに推進し、体制を強化するため、2026年10月より、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の提言に沿った情報開示を開始しました。
下記の情報は2024年度に実施した分析や当社グループの状況を開示したもので、2023年9月に公表されたTNFD提言v1.0の開示推奨項目に基づいています。今後も、事業と自然との関わりや、関連する課題を継続的に特定し、対応を強化するとともに、情報開示のさらなる充実を図ります。
ガバナンス
当社グループは、社会の持続可能性が事業活動において重要であるとの認識のもと、サステナビリティに関する意思決定と活動をよりスピーディに決定・実行する体制を整えています。自然資本に関する検討事項も、こうした体制で管理しています。
当社グループにおける重要なサステナビリティ戦略を議論・検討する場として、代表取締役社長が議長を務める「グループサステナビリティ委員会」を設置しています。本委員会は半期ごと(年2回)に開催され、自然関連課題を含むサステナビリティに関する課題管理や各施策などを検討し、決定した施策をグループ各社で実施しています。また、同委員会で議論された内容や活動状況は、当社取締役会に定期的に報告され、取締役会がそれらを審議・監督します。なお、議長である代表取締役社長を含め、取締役会の構成メンバーの約半数が、サステナビリティに関する経験や専門性を有しています。
グループサステナビリティ委員会の詳細:コーポレート・ガバナンス
グループサステナビリティ委員会の下部組織として「グループサステナビリティ部会」を設けています。この部会ではバンダイナムコホールディングスの担当役員が事務局長を務め、当社グループのサステナビリティ方針およびマテリアリティに沿った活動を推進しています。サステナビリティ方針は、グループ中期計画の重点戦略に基づき、ファンとともに持続可能な社会の実現に向けたサステナブルな活動を推進するために策定されました。マテリアリティを主軸に各種活動を実践しています。各ユニットのサステナビリティプロジェクトについては部会において具体的な施策が立案され、グループサステナビリティ委員会で検討を経て実行が決定されます。
また、事業活動を通してネイチャーポジティブに貢献していくうえで、関わるすべてのステークホルダーに対し、バンダイナムコグループ人権方針に則った活動を推進しています。本方針の責任者には、代表取締役社長を、推進担当にはサステナビリティ担当役員(チーフ・サステナビリティ・オフィサー:CSO)を置き、方針に則った事業運営がなされているかを監督しています。
戦略
自然関連リスクと機会を特定するために、TNFDフレームワークで推奨されている「LEAPアプローチ」に沿って、自然と事業の依存、影響関係、自然関連のリスク、機会を分析しました。LEAPアプローチの各ステップは右図の通りです。
依存、影響関係の特定
自然関連のリスクと機会は事業と自然との関わりから生じることから、TNFDガイダンスで使用が推奨されているツール「ENCORE※1」を用いて、事業と自然との依存・影響関係を特定しました。ENCOREによる分析結果(2024年11月分析)をもとに作成したヒートマップを以下に示します。
※1ENCORE(Exploring Natural Capital Opportunities, Risks and Exposure):国連環境計画(UNEP)や世界自然保全モニタリングセンター(UNEP-WCMC)などが開発した、事業活動と自然との依存、影響関係を分析することができるツール

ENCORE分析の結果、特に「High」以上の評価となった項目に着目し、当社グループの事業実態を踏まえて考察しました。
環境への影響については、特に玩具製造過程の非GHG大気汚染物質排出が「High」評価となり、自然への影響が大きいという結果となりました。当社グループの実態として、汚染物質など自然環境に負荷を与え得る物質を排出しているのは製造工場のみです。また、流通事業が外来種導入という項目で「High」評価となりました。これは、海外から物資を輸送する際に、外来種を意図せず運んでしまう可能性があるためです。これらの汚染物質排出や外来種の管理については、法規制を遵守して操業していますが、特に環境へ悪影響を与え得る事業として注視する必要があると捉えています。なお、土壌、水質汚染につながる物質排出の影響は「Medium」評価ですが、こちらも大気汚染と同様に重要視すべき項目として認識しています。
生態系サービスへの依存については、主にレジャー、娯楽関連事業が「文化的サービス」に大きく依存しているという結果となりました。当社グループでは、動植物や自然からインスピレーションを得て開発した製品や、環境に関する教育効果を持つコンテンツを提供しており、文化的サービスのうち教育サービスや芸術サービスを活用しています。また、イベント会場として緑地のある公園を利用することがあり、当社グループが運営するアミューズメント施設「花やしき」では、プロジェクションマッピングにより四季折々の自然風景を楽しめるアトラクションを提供するなど、自然から得られる娯楽や視覚的な癒しなどを事業に活用しています。このように、当社グループが提供するコンテンツの多くが、生態系サービスに依存していることを認識しています。
また、ENCORE分析で「Low」と評価された固形廃棄物についても、当社グループは、玩具やゲームなど販売製品に必要な資源・原材料の持続可能な利用をマテリアリティとして特定しており、廃棄物の排出による自然への影響も配慮すべき重要な課題であると捉えています。
リスク・機会の特定
当社グループにおける重要な依存・影響関係に紐づいて生じるリスクと機会を特定・評価しました。評価にあたっては、依存・影響項目の重要性、要注意地域の関連性、WWFが提供する「Risk Filter Suite※2」による拠点別リスク評価指数などを考慮し(2025年2月分析)、各項目の深刻度を判断しました。また、TNFDが推奨するシナリオ分析手法を参考に、リスクと機会の発生可能性についても検討しました。さらに、デスクリサーチによって現在の法規制や地域の状況を把握し、定性的な重要度を評価しました。この重要度評価では、社会や環境の変化が当社グループ事業にもたらすリスクと機会、当社グループの事業が環境や社会に及ぼし得るリスクと機会という、双方向から重要度を検討しました。
※2WWF Risk Filter Suite:世界自然保護基金(WWF)が開発した、水や生物多様性に関するリスクを評価・分析できるツール
シナリオ分析
リスクと機会の評価にあたっては、TNFDが提供するシナリオガイダンスに基づき、定性的かつ探索的なシナリオ分析を実施しました。TNFDのシナリオ分析では、下図に示すような、2つの重要なインジケーターの相互影響を考慮した4象限シナリオが参考情報として提供されており、企業ごとに事業や地域の状況を鑑みて独自のシナリオを構築することが推奨されています。2024年度の分析では、TNFDガイダンスの事例を参考に、「生態系サービスの劣化(物理リスク)」と「市場と非市場の調整力の整合(移行リスク)」という2つの重要なインジケーターを軸に、当社グループの事業を取り巻く現状を調査・考察し、マッピングしました。このマッピング作業は、WWFが提供する「Risk Filter Suite」に加え、当社グループが操業している国や地域の規制、自然保全の取り組み、また当社グループがお客様とのやり取りから得た市場動向に基づいて実施しました。
各拠点や事業別の状況を考察した結果、日本国内の要注意地域に該当する拠点周辺では、自治体や市民団体による自然保全の活動が確認できました。海外の工場拠点がある国では、生物多様性国家戦略の策定や汚染物質排出規制の整備が進められていることを確認しました。
一方、事業の実態としては、お客様が当社グループの製品やサービスを購入する際に環境配慮への意識が少ないことがアンケート調査などで判明しています。しかし、イベント会場での古着回収など、お客様参加型の環境負荷低減への取り組みは継続しています。非市場である国や自治体の環境保全の取り組みや、お客様を含めたステークホルダーの環境意識は、現状維持もしくは活発化、向上する可能性が高いと考えられます。こうした前提から、図の#1、#2に該当する将来の世界において、生態系サービス劣化が抑制された場合と、進行した場合の2つの仮説を設定し、次のようなシナリオを想定しました。
シナリオ #1
ネイチャーポジティブが推進され、気候変動対策も進むことで、生態系サービスの劣化が抑えられるシナリオです。気候変動対策や循環経済実現に向けた機運の高まりから、石油由来プラスチックの使用に規制がかかり、石油由来製品の原材料価格が高騰する可能性があります。一方、資源の再利用を進める活動が高く評価され、企業価値向上につながると想定されます。また、投資家の環境意識の高まりから、新たな資金調達へのアクセス確保が可能になると考えられます。透明性のある情報開示やステークホルダーとの協働がより重要となるため、当社グループが適切な対応を推進すれば機会の獲得につながり、不適切であれば、企業価値の低下を招くと想定されます。
シナリオ #2
生態系サービスの劣化が進むことで、環境負荷低減対策が急務となるシナリオです。ステークホルダーの関心はネイチャーポジティブよりも、企業が環境への悪影響をいかに低減しているかに重点が置かれます。法規制も応急的な環境汚染対策に向かい、当社グループにおいても迅速な対応が求められ、急遽、汚染物質や廃棄物の管理・削減、情報開示への対応コストが生じると想定されます。また、生態系サービスの劣化が進行することで台風や土砂災害など自然災害のリスクが高まり、屋外のアミューズメント施設やイベント開催が困難となり、需要も低下することで、収益が減少すると想定されます。一方、屋内コンテンツの人気が高まると考えられます。
以上のシナリオ分析結果、その他のツール分析結果、事業実態などを踏まえ、特定した重要なリスクと機会および対応策を以下の表に示します。特に重要なリスクと機会に関わる要素としては、資源や原材料に関する規制導入、市場の関心の向上、当社グループのネイチャーポジティブに資する取り組みの進捗が挙げられます。
| 項目 | 想定される事象 | 時間軸 | 重要度 | 事業ごとのリスク/機会との関連性 ●:関連性あり ○:一部関連性あり -:関連性なし |
||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| リスク 機会 |
中分類 | 小分類 | デジタル 事業 |
トイホビー 事業 |
映像音楽 事業 |
アミューズメント 事業 |
関連事業 | |||
| 移行 リスク |
政策 ・ 規制 |
プラスチック規制 |
|
中~長期 | 大 | ● | ● | ● | ● | ー |
| リサイクル規制 |
|
中~長期 | 大 | ● | ● | ○ | ● | ー | ||
| 情報開示義務 |
|
中~長期 | 小 | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | ||
| その他法規制など |
|
中~長期 | 中 | ○ | ● | ● | ● | ● | ||
|
中~長期 | 小 | ー | ー | ー | ー | ○ | |||
| 取水規制 |
|
中~長期 | 中 | ー | ● | ー | ー | ー | ||
| 評判 | 顧客の評判変化 |
|
中~長期 | 大 | ● | ● | ● | ● | ● | |
| 投資家の評判変化 |
|
中~長期 | 大 | ● | ● | ● | ● | ● | ||
| 物理 リスク |
急性 | 異常気象の激甚化(台風、豪雨、土砂、高潮など) |
|
短~中期 | 中 | ○ | ○ | ● | ● | ー |
| 慢性 | 平均気温の上昇 |
|
短~中期 | 中 | ○ | ○ | ● | ● | ー | |
| 降水・気象パターンの変化 |
|
短~中期 | 中 | ○ | ○ | ● | ● | ー | ||
| 害虫発生 |
|
中~長期 | 小 | ○ | ○ | ○ | ○ | ー | ||
| 感染症の増加 |
|
中~長期 | 中 | ○ | ○ | ● | ● | ー | ||
| 企業のパフォーマンスによる機会 | 市場 | 顧客行動変化 |
|
短~中期 | 大 | ● | ● | ● | ー | ー |
| エンゲージメントによるサプライチェーンにおける評判変化 |
|
中期 | 大 | ● | ● | ● | ● | ● | ||
| 製品とサービス | 低環境負荷製品・サービス |
|
中期 | 大 | ー | ● | ー | ー | ー | |
| 自然へ好影響を与える製品・サービス |
|
中期 | 中 | ● | ー | ー | ー | ー | ||
| 平均気温の上昇 |
|
長期 | 中 | ● | ● | ○ | ○ | ー | ||
| 資源効率 | 循環メカニズムへの貢献 |
|
中期 | 大 | ● | ● | ー | ● | ー | |
| 持続可能なパフォーマンスによる機会 | 自然資源の持続可能な利用 | 資源の再利用とリサイクルの増加 |
|
中~長期 | 中 | ー | ● | ー | ー | ー |
| 調達資源に関するガバナンス整備 |
|
中~長期 | 大 | ● | ● | ● | ● | ● | ||
| 地域、国、国際レベルでのエンゲージメント |
|
中~長期 | 大 | ● | ● | ● | ● | ● | ||
| 生態系の保全、復興 | 直接的、間接的な生態系や生息地の保護、保全、修復 |
|
中~長期 | 大 | ● | ● | ● | ● | ○ | |
優先地域の特定
TNFDガイダンスでは、地域特性を評価するうえで、「自然にとって重要である要注意地域」と、「事業にとって重要な依存、影響、リスク、機会があるマテリアルな地域」の2つの観点を考慮することが推奨されています。当社グループでは、要注意地域についてはツールを用いて調査し、マテリアルな地域については依存、影響の特定やリスク、機会の評価をもとに検討しました。
要注意地域
以下のような特性を持つ当社グループの操業拠点を対象に調査をしました。
- 製造工場拠点:環境汚染及ぼす可能性あり
- 物流業の倉庫および事務所拠点:外来種導入の可能性あり
- 直営アミューズメント拠点:自然との関連性は高くないが事業上重要
調査に使用したツール、分析観点は下表の通りです。
| ツール名 | ツール解説 | 調査内容 |
|---|---|---|
| IBAT (Integrated Biodiversity Assessment Tool) |
バードライフ・インターナショナル、国際自然保護連合(IUCN)、UNEP-WCMCなどの団体が開発した、生物多様性に関する重要な情報を提供し、保護地域のデータや絶滅危惧種の分布などを確認できるツール | 操業拠点がKBA※3、保護区に所在しているかを調査 |
| Global Forest Watch | 世界資源研究所(WRI)が開発した、森林の状況をリアルタイムで監視し、森林破壊や森林火災などの情報を地図上で確認できるツール | 操業拠点がKBA、保護区に近接しているか位置関係を調査 |
| Aqueduct | 世界資源研究所(WRI)が開発した、水リスクを評価し、洪水、干ばつ、水のストレスなどの情報を地図上で確認できるツール | 操業拠点が水ストレスの高い地域に所在しているかを調査 |
| GLOBIO Model | オランダ環境評価庁が開発した、土地利用の変化や気候変動が生物多様性に与える影響を予測するモデルを提供するツール | 操業拠点が地域の生態系の十全性が高い地域に所在しているかを調査 |
※3 KBA(Key Biodiversity Area):生物多様性重要地域。生態系保全において鍵となり、科学的に重要性が認められた地域
注) 上記4種のツールを活用し2024年12月に分析
要注意地域分析
分析の結果、物流業の倉庫、事務所の数拠点が保護区やKBAに所在していることが確認されました。また、製造工場4拠点が、保護区に近接していることが判明しました。
保護区やKBAに所在する要注意地域は物流業の拠点のみであり、外来種の導入リスク以外に重大な環境への影響が想定される項目はないことから、法規制を遵守しつつ、意図せず荷物に付着した生物を輸送しないよう注意を払う必要があると認識しています。また、当社グループでは、これらの要注意地域を、周辺地域で自然再興の取り組みを進める際の優先的な検討対象としています。
水ストレスの観点では、タイに所在する製造工場拠点の1拠点が、水ストレスの高い地域に立地していることが判明しました。この拠点周辺では厳しい排水規制が敷かれており、排水中の汚染物質量のモニタリングを徹底すべきであると認識しています。
なお、生態系の十全性が高い地域に立地する拠点はありませんでした。今回分析対象とした拠点は、いずれも人の社会活動によって改変が進んだ土地に所在しており、これ以上の生態系の十全性の低下を招かないよう努めていきます。
マテリアルな地域
原材料、資源の再利用に関するリスクや機会は、当社グループにとって特に重要度が高く、製造過程における重要な管理項目であることから、製造工場拠点をマテリアルな地域と位置づけています。今後、汚染物質の詳細なモニタリングや廃棄物削減などの取り組みを進める際には、要注意地域分析で判明した保護区との所在関係も考慮しつつ、特に廃棄物量や排水量が多い拠点を優先的に選定し、対応を強化していきます。
今後の対応
今回特定された重要なリスクと機会に対し、当社グループは以下のような取り組みを進めています。
- 資源循環に関する施策の推進
- ステークホルダーとの協働
- お客様参加型イベントの実施
- 最新の法規制を踏まえたモニタリングと操業
このほか、当社グループは重点項目の一つとして「資源・原材料の持続可能な利用」を挙げており、特にプラスチックに関しては代替素材を用いた製品開発や、包装材転換などを進めています。
さらなる資源循環経済の実現に向けては、官民連携の枠組みである「J4CE(循環経済パートナーシップ)」への参加や、販売製品の回収促進、廃棄物の再利用、イベント会場における環境配慮の取り組みなどを実施しています。
また、「次世代に向けた教育支援」も当社グループの重点項目の一つであり、地球環境への配慮の重要性を伝える教育支援活動も実施しています。自然関連の機会への対応としてはもちろん、ネイチャーポジティブの実現に向けた意識変革の一環として、当社グループが主体となりバリューチェーン全体の変革につなげていきたいと考えています。
2024年度に実施したTNFD対応およびLEAPアプローチに基づく分析は、当社グループ事業および一部拠点に限定したものであり、バリューチェーン全体でのネイチャーポジティブの実現には、分析対象の拡大と定期的な見直しが必要であると認識しています。今後は、環境デューディリジェンスの観点も踏まえて、サプライチェーン全体における自然関連課題の特定や、当社グループおよびサプライヤー拠点における要注意地域の調査など、分析対象範囲を拡大します。当社グループ事業やステークホルダーとの協働を通じて、自然環境の保全・再生に資する取り組みを進めていきます。
リスクとインパクトの管理
当社グループでは、自然関連リスク、機会を含むサステナビリティに関する課題について、グループサステナビリティ委員会で協議し、取り組むべきマテリアリティを特定しています。
事業における自然関連課題の特定には、TNFDで推奨されている分析手法であるLEAPアプローチに基づき、依存、影響、リスク、機会を特定しました。事業と自然との依存・影響関係は、外部分析ツールを活用して定性的に特定したほか、環境影響については、取水量や排水量、廃棄物などのアウトプットを定量的に管理しています。また、拠点については、自然との関わりが大きく、かつ事業上重要な拠点を選定し、要注意地域に該当、または半径1km圏内に近接しているかを調査しました。リスクと機会の評価は、「当社グループ/環境および社会にとっての深刻度」と「発生可能性」の2軸で行いました。
グループのサステナブルな活動の推進にあたっては、グループの危機管理体制を統括する「グループリスクコンプライアンス委員会」と連携しています。グループ各社はマテリアリティに沿って事業特性に応じた施策を実施しており、その結果は連結会計年度ごとに、グループ全体および事業ユニットごとに分析し、翌連結会計年度以降の施策改善につなげています。これらの内容は、グループサステナビリティ委員会で協議のうえ、取締役会に報告され、必要に応じて取締役会が審議・監督を行っています。
指標と目標
自然への影響や関連課題を管理するにあたり、当社グループでは以下の環境管理指標をESGデータとして開示しています。
- 温室効果ガス排出量(Scope1、2、3)
- 温室効果ガス排出量に関わる電力、燃料の使用量
- 取水量
- 排水量
- 廃棄物量
このほか、環境関連の問題で罰金が生じた回数も開示しており、現在まで0回を維持しています。また、TNFDガイダンスで開示が推奨されているグローバル中核指標の開示状況は、下表の通りです。今後、重要なリスクと機会に対応するための戦略や目標を設定し、管理に必要な指標の特定・検討を進めていきます。