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「ガンダムシリーズ」50周年へ向けて
映像を起点に、ガンダムIPの
可能性を世界へ広げる

profile

小形 尚弘Naohiro Ogata

株式会社バンダイナムコフィルムワークス
取締役
ガンダム事業本部 管掌

手塚 晃司Koji Tezuka

株式会社バンダイナムコフィルムワークス
執行役員
ガンダム事業本部 本部長

映像が生んだ熱量の連鎖

 2026年3月期の「ガンダムシリーズ」は、映像作品を起点に大きな盛り上がりを生み出し、グループ全体のIP価値拡大につながる一年となりました。「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(以下、ジークアクス)」のTV放送に始まり、映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女」公開へと、年間を通じてガンダムに対する話題と熱量が途切れず続いたことは、大きな成果だったと受け止めています。特にジークアクスは、新しい世代に向けたガンダムIPの入口でありながら、長く「ガンダムシリーズ」を応援してくださっているファンにも大きな驚きとともに楽しんでいただける作品となりました。新規層や若い世代にガンダムを届けることを意識しつつ、既存ファンの期待にも応える。この両面を実現できたことは、今後のガンダム映像戦略において重要な意味を持っています。

映像と商品・サービス、相互連動で広がるIP価値

 2026年3月期に「ガンダムシリーズ」のグループ全体のIP売上高が2,543億円と2025年3月期よりおよそ1,000億円の増となった背景には、映像作品の話題性だけでなく、グループ横断の連動による多彩な商品・サービス展開が大きく寄与しています。
 映像を見て商品・サービスに触れる、商品・サービスから作品に関心を持つ。こうした多彩なタッチポイントによりファンの循環が生まれていることが、現在のガンダムIPの強さです。映像は、多くの人に作品の世界観を届け、多様な商品・サービスへと関心を広げる効果的な手段の1つです。ファンの期待を裏切らない映像であるからこそ、ファンはガンダムというブランドを信頼し、関連する商品やサービスにも期待を寄せてくださいます。映像の価値を高めることが、「ガンダムシリーズ」全体の価値を引き上げ、次の映像製作や新たな商品・サービスの展開にもつながっていきます。映像と事業の相乗効果をいかに大きくしていくかが、ガンダムのさらなる成長の鍵となります。
 「ガンダムシリーズ」は、長い歴史の中で多くの作品、モビルスーツ、キャラクターを生み出してきました。その豊富さゆえに、かつては「どこから入ればよいのか分からない」と言われることもありました。しかし今では、その蓄積こそが大きな強みになっています。「SDガンダム ジージェネレーション エターナル」や「ガンダムカードゲーム」のように、多数の作品やモビルスーツがあることで遊びの世界観が広がる領域では、50年近くにわたって積み重ねてきた資産が大きな魅力になります。世代や地域ごとに好きな作品やモビルスーツ、キャラクターなど、一人ひとりの“ファーストガンダム”がある。その多様性こそが、ガンダムを世界へと広げる力になると考えています。

グローバル展開を支える情報・ローカライズ基盤

 グローバル展開では、配信プラットフォームの拡大により、世界中のファンが同時期にガンダム作品へ触れられる環境が整いつつあります。ジークアクスも多言語で展開され、海外のファンが日本とほぼ同時期に作品を楽しむことができました。一方で、よりグローバルに広げていくためには、映像を届けるだけでは十分ではありません。作品名やモビルスーツ名、設定、カラー、用語などを正確に管理し、各国語で一貫した形で伝えるための基盤整備も欠かせません。
 現在はそれらのデータベースの整備をワールドワイドで進め、ライセンシーによる商品化やその監修、情報発信のスピードと精度を高める取り組みをしています。また、「GUNDAM Official Website」のリニューアル( P54)も、グローバル展開における重要な基盤です。海外のファンからは、これまで「どこを見ればガンダムの情報がわかるのか」という声もありました。公式サイトを通じて、最新作から過去作品までを整理し、世界中のファンが安心して正確な情報にアクセスできる入口を整えたことは、今後の展開を支える大きな一歩です。

50周年へ、多様な入口と新たな挑戦を用意する

 今後の大きな節目となるのが、2029年のガンダム50周年です。50周年は単なる記念施策ではなく、ファンとともに参加し、楽しみ、未来へつなげる大きな“お祭り”です。「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM ZERO 」、 ハリウッド実写映画版「GUNDAM (仮称)」、初代「機動戦士ガンダム」のリマスター、「新機動戦記ガンダムW」の新作映像、2027年展開予定の「機動戦士ガンダムRG XARX-ZERO(アレックスゼロ)」など、様々な入口を用意しています。
 特に実写映画は、これまでガンダムに触れてこなかった方々にとっての“ファーストガンダム”になる可能性を持つ、非常に大きな挑戦です。アニメーションとは異なる表現、海外の監督・脚本家・キャストによる新しいガンダムが、世界中の観客へ届くことで、これまで開拓できていなかった層にガンダムを届けることを期待しています。そして、そこから新たに入ってきたファンをどのように定着させ、他の作品や商品・サービスへつなげていくかが、今後の重要な課題となります。

* ハヤカワツクロ監督「少年とガンダム | 機動戦士ガンダム50周年 -Road to 50- プロローグムービー」(https://youtu.be/-Dm-7u930DI)
2027年展開予定の「ガンダムシリーズ」新作「機動戦士ガンダムRG XARX-ZERO(アレックス ゼロ)」

次世代クリエイターとともに、100年続くIPへ

 50周年をその先の未来へつなげるためには、新たな才能の発掘と育成も欠かせません。ガンダムはこれまでも時代ごとに新しい表現や挑戦を取り入れながら進化を続けてきました。近年では20代の監督起用*もあり、若い世代の感性や発想を積極的に取り入れる取り組みも進めています。
 過去の表現を受け継ぎながら、新しい世代、新しい地域、新しいメディアへ踏み出していく。その積み重ねこそが長くファンから愛され続けてきた理由です。次世代のクリエイターがガンダムという舞台で力を発揮できる環境を整え、新たな作品や体験を生み出していくことが、ガンダムを次の100年へと続くIPへ成長させていくための力になります。私たちは映像を起点に、世界中のファンとつながりながら、ガンダムの可能性をさらに広げていきます。

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小形

ガンダムには、まだまだ大きな可能性があります。映像を通じて新しい驚きを届け、多様な商品・サービスとも連動しながら、世界中のファンに「ガンダムを好きでいてよかった」と感じていただける未来をつくっていきます。

手塚

IP軸戦略はこれまでも進化してきましたが、今は過去にないほどグループが1つになれる大きなチャンスです。映像を起点に、多様な商品・サービスをつなぎ、ファンとファンが語り合える場を世界中に広げていく。その実現に向けて、関係するすべての人々と力を合わせて挑戦していきます。

私にとってのパーパス

小形 尚弘

日々の作品づくりでは、言葉として強く意識しているというよりも、振り返ると自然にパーパスへと収束している感覚があります。若いクリエイターにガンダムが受け継がれることは嬉しく、これまで取り組んできたことが次の世代へつながることに、やりがいを感じています。

手塚 晃司

「Fun for All」という言葉に、自分たちが向き合うべき対象が明確に込められています。抽象的な理念ではなく、「この人を笑顔にしたい」「この人に面白いものを届けたい」と具体的に思い浮かべながら仕事ができる。そうした意味で、グループ全体がまとまりやすく、実践しやすいパーパスだと捉えています。

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