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「ガンダムシリーズ」50周年へ向けて
チーフガンダムオフィサー(CGO)
からのメッセージ

Profile

榊原 博Hiroshi Sakakibara

株式会社BANDAI SPIRITS
代表取締役社長
チーフガンダムオフィサー(CGO)

「ガンダムシリーズ」は、新たな成長ステージへ

大阪・関西万博「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」

 2026年3月期の「ガンダムシリーズ」は、グループ全体のIP別売上高が2,543億円となり、前期の1,535億円からおよそ1,000億円増となる大きな伸びを示しました。この成長は良質な映像作品と、商品・サービスカテゴリーの広がりとのグループ連動が大きな効果を発揮し、2029年の50周年に向けたロードマップの成果が想定よりも早く表れた結果だと思います。
 2025年の年初に映画とTVアニメーションで展開した「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」は、既存ファンに向けた深い作品性と、新規ファンが入りやすい入口の両方を持つ作品として、映像、配信、 商品、ゲームとの連動に大きく貢献しました。特にネットワークコンテンツの「SDガンダム ジージェネレーション エターナル」は、映像作品とプロモーション連動することで、長くガンダムを応援してくださっているファンに加え、新規層や一度「ガンダムシリーズ」から離れていた層にも再び触れていただくきっかけとなり、想定以上に人気となりました。
さらに2025年に開催した大阪・関西万博の「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」も、国内外での認知拡大という意味で非常に効果的な取り組みでした。当パビリオンに来場された方々に加え、万博会場を訪れた多くの方々にも、実物大ガンダム像を通じて初めてガンダムに触れていただき、新たな関心を持っていただけたと感じています。会場で、お父様がお子様へ「久しぶりにガンダムを見よう」「ガンプラをつくってみよう」と語りかける姿を見た時、ガンダムが世代を超えて楽しんでいただけるIPへ成長していることを改めて実感しました。

「ガンダムシリーズ」売上高(グループ全体)

IP価値を再構築する戦略基盤として、50周年プロジェクトが始動

 2026年5月に開催した「ガンダムカンファレンス SPRING2026」では、50周年に向けたプロジェクトの始動を発表しました。今回の発表は、単なる周年企画や新作情報の集合ではありません。ガンダムの映像、商品、リアル体験、文化発信、グローバル展開を一体で推進することでグループ総合力を結集し、IPの可能性を大きく拡張させるための長期的戦略基盤となるプロジェクトです。重要なのは、個別展開ではなく、それぞれを連動させることで、新規ファンの入口を広げると同時に、既存ファンの熱量をさらに深めていく点にあります。
 映像面では、「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM ZERO」、ハリウッド実写映画版「GUNDAM(仮称)」、初代「機動戦士ガンダム」のリマスター、「新機動戦記ガンダムW」の新作映像など、複数の映像展開を発表しました。加えて2029年までには、さらに未発表の新作ガンダムを複数準備中です。これらは、長年応援してくださっているファンに新たな価値を届けると同時に、地域や世代ごとに異なる“入口”をつくるための重要な施策です。
 ガンダムには、国・地域、世代ごとに入口となる“それぞれのファンにとってのそれぞれのファーストガンダム”があります。国内では初代の「機動戦士ガンダム」が原点ですが、アジアの方にとっては「機動戦士ガンダムSEED」が、北米の方には「新機動戦記ガンダムW」が、最初にそのエリアで放送されたこともあってそれぞれ人気です。また、同じ国・地域でもガンダムに触れていただいた年代によってお気に入りのシリーズも様々です。だからこそ、1つの作品や1つのカテゴリーに閉じるのではなく、地域ごとのファンの想いや嗜好に合った多様な入口を増やしていくことが大切だと捉えています。

2027年展開予定の「ガンダムシリーズ」新作「機動戦士ガンダムRG XARX-ZERO(アレックス ゼロ)」

世界中のファンに届けるため、接点と供給を進化

 リアル展開では、2027年1月に大型ファンイベント「GUNDAM–Con」を国内で開催し、順次海外でも展開していく予定です。これまでカテゴリーごとに展開してきたプラモデル、ゲーム大会やイベント、商品展示、音楽・ライブ要素などを同じ場に集約し、異なるタッチポイントからガンダムファンとなったファン同士が集まり、ガンダムの世界観をより深く体験しながらファン同士がつながる場にしていきたいと考えています。
 また、詳細は今後の発表となりますが、「ガンダムランドマーク構想」も始動します。世界中のガンダムファンが訪れ、喜んでいただけるような象徴となる拠点を国内外に建設する構想です。映像や商品を届けるだけでなく、ファンが実際に訪れ、体験し、記憶に残る場をつくることは、ガンダムIPの価値をさらに高める重要な取り組みになると考えています。
 グローバル展開では、中国を中心としたアジアと北米が引き続き重要市場です。一方で、東南アジア、欧州、南米、オーストラリアなどでも認知は高まりつつあります。過去の映像作品の多言語配信を進めるとともに、公式ガンプラ総合施設「THE GUNDAM BASE」などを各地域で広げ、情報発信とファン接点を強化していきます。
 こうしたタッチポイントの拡大を継続的に実現していくためにも、商品供給体制の強化は重要な課題です。ガンプラについては、プラモデル生産工場であるバンダイホビーセンター(BHC)の新工場「BANDAI HOBBY CENTER PLAMO DESIGN INDUSTRIAL INSTITUTE(BHCPDII)」の本格稼働( P58)により、増産を実現しました。今後は地域ごとの人気作品や需要をよりきめ細かく捉え、生産計画とマーケティングを一体で設計していきます。世界同時配信・同時公開が進む中で、商品・サービスも同時に展開することが求められます。物流面など様々な課題を解決し、より大きなチャンスに広げていきます。

50周年を起点に、ガンダムを100年続く世界規模のIPへ

 50年という長い年月は、これまでのファンの皆様の支持があったからこそ続けることができました。だからこそ、ファンの心に長くあり続け、「ずっと応援してきてよかった」と思っていただける商品・サービス、イベントを今後も提供させていただくことが我々の使命だと思っています。
 30周年で初の実物大ガンダム立像を展示した際、ファンの方から「自分たちが買ったプラモデルの収益をこうした形で還元してくれるなら嬉しい」と言っていただいたことがありました。ファンからいただいた熱量を、また違う形でファンに還元する。それが、ガンダムというIPを預かる私たちの責任です。

機動戦士ガンダム30周年プロジェクトでの東京・潮風公園の実物大ガンダム立像

 50周年はゴールではないと思っています。これは通過点であり、ファンの皆様と一緒に100年続くIPに成長させていきたい。常に新しい挑戦を続け、ガンダムというIPをさらに進化させていく。世界中のファンに「ガンダムを応援してきてよかった」と感じていただける未来をつくること。そういった目標に、これからも全力で取り組んでいきます。

私にとってのパーパス

ファンとは、単に商品・サービスが好きな人だけを指すわけではありません。消費者や従業員、関係者、地域の方々など、商品に関わるすべての人が楽しさや喜びを感じられることが大切です。そうした皆の幸せや満足が、企業の成長にもつながっていくと考えています。

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