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サプライチェーンマネジメント(労働)

サプライチェーンにおける労働環境の改善は、雇用の定着や商品・サービス品質の向上を促し、お客さまをはじめとしたあらゆるステークホルダーを笑顔にすることにつながります。バンダイナムコグループは、グループのサプライチェーン全体で、人権・労働環境の向上に取り組んでいます。

サプライチェーンの労働環境に関する取り組み

人権デューディリジェンスの実施

バンダイナムコグループは、自らの事業活動が潜在的に人権に影響を及ぼしうることを認識しています。従業員とその家族はもちろん、取引先の皆さまを含め、すべてのステークホルダーの人権を尊重する責任があるという考えのもと、サプライチェーン全体で人権への理解を促進しています。

従来は事業セグメントごとにリスク管理を実施してきましたが、当社グループとして事業活動に関係する人権への負の影響を特定、予防、軽減するため、人権デューディリジェンスの仕組みをグループ内で構築し、リスクベースアプローチに基づいて継続的な管理を実施していきます。2022年10月には、第三者機関による人権デューディリジェンスを主要事業において実施し、グループの事業の中では、東アジア・東南アジア地域の製造部門における潜在的な人権リスクが高いことを特定。2023年度には国内外すべての事業を対象にリスク分析を実施しました。また、取り組みの一環として、すべての役員・従業員が遵守すべき行動原則として「バンダイナムコグループ行動規範」を2025年4月に策定しました。この行動規範は、取引先の皆様にもご理解・遵守いただきたい内容となっており、現在共有を進めています。さらに、行動規範の実践にあたっての具体的な指針として「バンダイナムコグループ取引先ガイドライン」を策定し、周知を行っています。

今後も人権課題の顕在化の予防と、すでに確認されている課題の解決に向けた取り組みを進めていきます。

図:当社グループの人権デューディリジェンスの実施フロー。2022年10月に主要事業で人権デューディリジェンスを実施し、2023年10月には人権に関する問い合わせ窓口を開設しました。また2023年11月には人権方針を策定しました。以降は人権デューディリジェンスの実施と影響評価・予防是正措置(教育)、モニタリングと情報開示を進めています。

行動規範などに基づくサプライヤー監査を実施

当社グループは、事業セグメントごとにサプライチェーン管理の維持向上に取り組んでおり、2024年度は以下のような取り組みを実施しました。

バンダイ/BANDAI SPIRITS

日本国内向け製品を生産するほぼすべての海外最終梱包工場(2024年度は約310社)において、「品質監査」と「CoC(Code of Conduct)監査」を一元化した「Bandai Factory Audit(BFA)」を実施、またはSMETA(Sedex Members Ethical Trade Audit)やICTI(国際玩具産業協議会)等の「第三者CoC規格のレポート」において「CoC(Code of Conduct)」の項目を確認しています。BFAでは、「強制労働」「児童労働」「労働時間」「賃金及び手当」「懲罰」「差別」などの基準の遵守を宣言した「バンダイCOC宣言」を基本方針とし、独自の「BFAマニュアル」に基づき、監査を行っています。さらに、取引先の皆さまとの情報共有などを行うサプライヤーカンファレンスを開催し、取引先の皆さまとともに強制労働、現代奴隷防止などを含めた法令遵守や労働環境の向上に努めることとしています。

さらにBANDAI SPIRITSでは、「BFA」または第三者の認定取得がない工場に対し、独自の「BANDAI SPIRITS最低要求監査書」を基準とした監査を実施し、人権に関する要求事項について確認しています。

BANDAI SHENZHEN

欧米向け主要製品の生産指導・品質指導を行っている同社。主にICTIが玩具メーカー向けに定めた統一基準で強制労働や人身売買、児童労働などの禁止を監査項目に含む「ICTI Ethical Supply Chain Program」や、SMETA(Sedex Members Ethical Trade Audit)など第三者機関の認証を受けた工場と取引を行っています(2024年度に取引した欧米向け製品の一次工場はすべて認証済み)。

バンダイナムコエクスペリエンス

サプライヤーとの取引開始時に、「強制労働」「児童労働」「労働時間」「賃金及び手当」「懲罰」「差別」「環境保護」の項目に関して違法行為がないことを確認したサプライヤーのみと取引しています。また、新規に取引を行う業務用ゲーム製品の組付工場においては、就労環境を含む確認項目についてヒヤリングを行います。さらに、必要に応じて新規および既存の取引のある工場の監査を実施することとしています(2024年度は新規の取引工場3件に対し監査を実施)。

BFA監査の様子

「バンダイサプライヤーアワード」でサプライヤーを表彰

バンダイでは、世界で対応を求められる人権・労働関連の基準や、生産環境についての情報共有を行う「サプライヤーカンファレンス」を毎年実施しており、サプライヤーに向けて積極的に情報を発信・共有しています。また、バンダイが設ける評価指標を高いレベルでクリアしているサプライヤーを表彰する「バンダイサプライヤーアワード」を制定。表彰されたサプライヤーには、他のサプライヤーを対象として講演を行っていただくなど、現場での取り組みノウハウを共有しています。このような取り組みを通じ、取引先の皆さまに法令遵守や労働環境への対応を促し、一体となって取り組みを進めています。

補足情報はこちら

ロゴ:バンダイサプライヤーアワード

人権意識向上に向けたさまざまな取り組み

人権に関する当社グループの理念や考え方について従業員に周知し、浸透させるため、グループ役員、従業員を対象にした啓発活動などを適宜実施しています。

グループにおける人権対応の強化のためにはグループ内理解を促すことが重要と考え、人権をはじめサステナビリティ、ワークライフバランス、LGBTQや障がいなどをテーマにしたセミナーやe-Learningを行っているほか、グループ役員・従業員を対象に、コンプライアンスに対する意識調査を行っています。各事業会社においてもリスペクトトレーニングや倫理に関する研修などを実施しています。

また、「バンダイナムコグループ行動規範」の理解浸透のために、海外拠点を含む全社に同行動規範を明記した社内掲示用ポスターを配布し、説明会や研修を通じて理念の浸透を図っています。

従業員向けWEB社内報での紹介

従業員、アーティスト向けのコンプライアンス研修

バンダイナムコミュージックライブでは、アーティストやタレントの価値を守り、社会的責任を果たすため、アーティストと関係者を対象とするコンプライアンス研修を実施しています。コンプライアンスについての啓発、音楽活動・芸能活動における社会的責任や一般常識の再学習、アーティストと向き合うA&Rやプロデューサーなど社員の意識改革・責任能力向上などをテーマとして、特別研修やセミナーを開催しています。

同社法務部門主催のもと、2023~2024年の2年間で複数回実施し、取締役、マネージメント担当、専属アーティストなどを含む計60名以上が参加しました。また、2025年度は内容を最新版に刷新し、実施予定です。

写真:従業員、アーティスト向けのコンプライアンス研修の様子

取引先ガイドラインの制定

世界各国に拠点を有し、多様なステークホルダーとモノやサービスをやり取りしながら事業を営む当社グループは、バリューチェーンのなかで生じる環境への負荷や社会への悪影響を最小化し、より良い社会づくりに貢献することも企業としての使命と考えています。とりわけ、おもちゃやゲームなどの商品を製造販売するメーカーとして、調達先において生じうる環境・社会面での課題の把握と対処に注力しています。

取り組みの一環として、すべての役員・従業員が遵守し、また取引先の皆さまにも遵守していただきたい行動原則を取りまとめた「バンダイナムコグループ行動規範」を2025年4月に策定しました。この内容を取引先の皆さまに共有するとともに、本行動規範を実践いただくうえでの指針として「バンダイナムコグループ取引先ガイドライン」を制定、周知を進めています。

「バンダイナムコグループ行動規範」

「バンダイナムコグループ取引先ガイドライン」

世界各国の取引先に向けて新たに発信した「バンダイナムコグループ取引先ガイドライン」